誘拐された女子中学生遺族の弁護士が会見 「事件の背景にいじめ」…入学後数カ月で登校できず 浜松市

 浜松市の女子中学生が行方不明になり、キャンプ場のテントで遺体で見つかった事件で、遺族の弁護士が会見を開きました。少女の受けた「いじめ」が事件の背景にあると訴えています。

遺族の弁護士 鈴木重治弁護士:「希望をもって中学校生活を始めたものの、わずか数カ月で登校できない状態になってしまいました。原因はいじめです」

 誘拐事件からおよそ2週間。少女の両親がコメントを発表しました。

遺族のコメント
「何故、このような悲しい結末を迎えるに至ったのか、改めて皆さまにお伝えしたいことがございます」

女子中学生 浜松市天竜区のキャンプ場で遺体で見つかる

画像: 女子中学生の遺体が見つかった現場 浜松市

女子中学生の遺体が見つかった現場 浜松市

 少女は先月15日、昼過ぎに自宅を出た後、行方不明になり、警察が捜索したところ浜松市天竜区のキャンプ場で遺体となって見つかりました。事件が起きたのは、卒業式の2日前のことでした。警察は少女を車に乗せて連れ回したとして、福岡市東区の33歳の無職の男を未成年者誘拐の疑いで逮捕しました。容疑者は少女と一緒にテントの近くで発見され、「自殺しようと思ったが、自分だけ死にきれなかった」と発見される直前に警察に通報していました。

 捜査関係者によりますと、テントからは使用済みの炭と七輪が見つかっていて、警察は容疑者が少女を巻き込んで自殺を図ったとみて調べています。

弁護士「いじめ不登校があって…」

画像: 弁護士「いじめ不登校があって…」

弁護士の会見
Q.今回の事件との因果関係は?
A.今回の結果につながっていると理解しています
Q.いじめによって事件につながった?
A.当然、いじめ不登校があって、いろいろあってこうなったと

 弁護士によりますと、少女は浜松市内の中学校に入学して数カ月後に不登校になりました。原因はいじめとみられています。学校側は教職員と弁護士で構成される調査委員会を設置し、おととし11月にいじめがあったことを認めました。しかし、少女の不登校は改善されなかったといいます。

遺族のコメント
「いじめ問題の対応について、改めて教育に関係する方々が真摯に考える機会となってほしい」

遺族は「いじめに対する学校の対応に納得がいかなかった」と訴えています。

弁護士の会見
「いじめの認定はされたが、それ以前にいじめ発覚というところの学校の対応があまりよくなかったということは、報告書の中で認めている」

 学校側は静岡朝日テレビの取材に対し、「担当者が不在のため答えられない」としています。