袴田巌さん再審開始が確定した夜はお寿司でお祝い 一夜明け支援者集会で協力呼びかけ
ひで子さん「再審開始をひたすら願って闘ってきた」
袴田ひで子さん(90)(21日):「やっと再審開始になりました。何と言ったらいいのか…。57年闘ってやっと再審開始になったんです。もっと早くならなかったのかと思うが、そんなことはどうでもいいんです。再審開始になることをひたすら願って闘ってきました」
1966年、旧清水市で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんの再審=裁判のやり直しをめぐり、20日、検察が特別抗告を断念しました。
袴田ひで子さん(20日午後4時すぎ)
支援者「検察ね、特別抗告断念するって」
ひで子さん「おー!」
支援者「やったじゃん」
ひで子さん「本当!?」
袴田ひで子さん:「今ね、ニュースが入ってね。検察が特別抗告を断念したって。だから完全に無罪。完全に勝った。良かったね、あんた。あんたの言う通りになった。もう安心だよ。何にも心配いらなくなった」
支援者らも感激のあまり…
支援者(東京高検 20日午後4時半すぎ)
「特別抗告断念という知らせが来ました。みんなで万歳しましょう。万歳!」
袴田事件弁護団事務局長 小川秀世弁護士(20日午後4時半すぎ):「検事から電話をもらいまして…。私何と言ったかというと、ありがとうございましたと。本当にうれしかったものですから(泣)。僕はただ、袴田さんを早く無罪にしてあげたいというのが第一です」
東京高検は…
一方、特別抗告を断念した理由について東京高検は…。
東京高検:「承服しがたい点はあるものの、申し立て理由があるという判断に至らなかった」
ひで子さん「検察に敬意を表します」
袴田ひで子さん(20日午後5時半ごろ):「今回の検察が(特別抗告を )断念したことに敬意を表します。本当によくぞ決断してくれたと思う。本当にありがとう。ありがとうの言葉しかないけど、もううれしくて、ありがとうの言葉しかございません」
袴田さんお寿司でお祝い
これで袴田さんのやり直し裁判が静岡地裁で開かれることになります。そして、一夜明けた21日。
袴田ひで子さん(浜松・中区 21日朝)
「私はニコニコしちゃって…」
袴田ひで子さん(浜松・中区 正午ごろ)
「きのうは巌が寿司を食べたいって言いだした。だから寿司をとってお祝いのまねごとをした。(普段は)あれを食べたい、これを食べたいって言わないんですけど(周りの)みんながうきうきしてるから、ある程度(再審開始を)認識しているみたい」
袴田さん「みんなの協力があって勝ちを呼べる。よろしくお願いします」
その後、午後1時半、静岡市内で開かれた支援者集会に参加したひで子さん。
袴田ひで子さん(静岡・葵区)
「もう私は(事件があった)33歳から40何年間はニコリともしないで、多分おっかない顔をしてたと思う。笑う気にもならなんだ。歌番組など見る気にもならなんだ。そういう心境だった。それが巌が(刑務所から)出てきてから、ガラッと変わって、やたらニコニコするようになった。巌のことは私の運命だと思っている。本当にうれしい。ありがとうございました」
そして、少し遅れて会場にやってきたのは、巌さん。ひで子さんに連れられ、壇上に上がると、マイクを持ちます…。
袴田巌さん(87):「私が袴田巌でございます。がんばろうという闘いでございますので、闘いには協力が必要です。みんなの協力があって勝ちを呼べる。よろしくお願いします」(会場から大きな拍手)
自分の言葉で支援者に思いを伝えた巌さん。事件発生から半世紀と7年。
袴田事件の舞台は、静岡地裁で開かれる再審公判の法廷へと移ります。袴田さんは無罪になる公算です。