県が大規模盛り土の撤去求める措置命令…無許可で造成、崩落する危険 静岡県

 静岡市の山間部に、大規模な盛り土が無許可で造成されたことを受け、県が、残土処分会社に対し、土砂の撤去を求める措置命令を出したことが分かりました。

社長と元社長は公判中

 静岡市葵区の残土処分会社と41歳の社長の男と84歳の元社長の男は、国が砂防法で工事などを規制する区域である葵区の日向地区と杉尾地区に、知事の許可を得ずに大規模な盛り土を造成するなどした罪で公判中です。

画像: 社長と元社長は公判中

 県は27日、会見で、今月3日付で残土処分会社に対し、県の条例に基づいて土砂を撤去し、元の状態に戻すよう求める措置命令を出したと明らかにしました。5月8日までを期限に、現状回復の計画書の提出と5月19日までの工事着手を求めています。会社側が命令に従わない場合は、行政代執行によって土砂を撤去する準備を進める方針です。

県は20年以上前に盛り土を把握

 県がこれらの盛り土を把握したのは、日向地区は2005年、杉尾地区は2019年。しかし…。

画像: 県は20年以上前に盛り土を把握

静岡県 川勝平太知事:「違反行為者に対する指導方針として、行政指導に従わなかった場合の対応の一つとして行政処分を考えていた。検討していたことは事実」

 県は、2006年から残土処分会社に対して土砂を撤去するように繰り返し指導を重ねたうえで、行政処分や刑事告発などの処置を検討していたものの、見送っていたということです。県は、当時の詳細な資料がないとして関係者のリストアップと事実確認を進めています。

 一方、残土処分会社はこうした指導に対し、これまで
土砂を撤去するなど対応をとっていません。県によりますと、県が実施したボーリング調査の結果、3月の時点でいずれの盛り土も大雨や地震などの災害で崩落する危険があり、安定性が確保されていないことが確認されています。