コロナの影響で木材価格が高騰…追い打ちかけるロシア産の木材輸入禁止 ダブルパンチの影響は 静岡市
ウッドショップ新間 新間恵高さん:「ロシア産の木材はこちらのカラマツ、これがロシアの木材です」
実は『高品質』のロシア産木材
こちらは、島田市でおよそ70年続く木材販売店。見せてくれたのは、国産品では手に入れられないという貴重な天然のカラマツです。その特徴は…。
ウッドショップ新間 新間恵高さん:「まずこの木目、年輪ですね。やはりロシアは寒い地方ですので、1年単位の年輪の育つ量が、非常に少なくて目の細かな『目細』な素材」
西尾アナ:3倍くらい目の幅が違うような感じなんですけど…。
国産のマツと見比べてみると、画面左側のカラマツのほうが、年輪が細かく刻まれていることがわかります。
ウッドショップ新間 新間恵高さん:「これで非常に性質の良い、使いやすい、つまり暴れにくい安定性の高い製品になっています」
新間さんによると、ロシア産の木材は住宅の柱など建材として国内では多く使われていて、大きな割合を占めているということです。
ロシアからの輸入禁止の対象に丸太やべニアも
しかし…。
日本としては初めてのロシアからの物品の輸入禁止措置。38品目の対象には、丸太や単板(ベニヤ)など4品目の木材も含まれています。
新間さんは、ロシアから木材が入ってこなくなることに懸念を抱いています。
ウッドショップ新間 新間恵高さん:「昨年から非常にコロナの影響で木材価格が高騰して、それが国産材の丸太にも影響して、製品が高騰しているような状態が続いております。そこへ来て、今回こういった状況で、また木材の価格が上がることを懸念しています」
コロナ禍で、アメリカで住宅の建設需要が高まったことなどを理由に、ここ2年ほど、世界的に木材の価格が高騰し「ウッドショック」と呼ばれる状態に。そこに、ロシア産木材の輸入禁止の影響も加われば、国産木材の価格も上がってしまう可能性があり、ダブルパンチになるというのです。
ウッドショップ新間 新間恵高さん:「昨年のコロナ禍による木材高騰の幅というのが、1.5倍?1.6倍くらいだった気がするので、それが1つの目安になってくるような気がします」
店で扱っている40種類の木材のうち、9割は国産だそうです。今後在庫がなくなれば、仕入れ値の増加分を価格に上乗せしなければならない可能性が―
さらに、こちらでは住宅の設計や施工も行っていることからこんな悩みも…。
ウッドショップ新間 新間恵高さん:「当初見積もりした価格よりも上がってしまうという懸念が考えられます。最終的にエンドユーザーの方にしわ寄せが行ってしまうということで、非常に私どもも心苦しい点はあります。とにかく先が見えませんので、まだ予断を許さないという、そんな状態です」