静岡県知事選前の最後の論戦 自民はコロナ対策を追及… リニア問題では「覚悟は決めている」

 25日の静岡県議会では、3カ月後に迫った知事選前の最後の代表質問が行われました。

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 川勝平太知事の対抗馬の擁立を模索している自民党からは、鈴木政調会長が質問に立ちました。
論戦のテーマに選んだのは知事のコロナ対応です。

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自民改革会議 鈴木澄美政調会長:「今年に入り、1月7日に発令した1都3県の緊急事態宣言に関し、知事は感染地域からの来訪者が怖いと言っていたが、一方で、首都圏に近い本県東部地域の県民は、この感染地域に通勤や通学しているケースは少なくありません。県民を守るために、また県民を思いやるために、県のトップとして発言すべき言葉として疑問が残る」

静岡県 川勝平太知事:「感染拡大防止の施策は、県民の皆様の高い民度への信頼を基礎としてきた。1月の宣言では、県外への移動や飲食時にマスクつけずに会話をすることなどが感染リスクにつながることから、それらの場面での感染拡大防止に向け、科学的根拠に基づく情報発信に努めた」

 国内で初めての市中感染が疑われるイギリス由来の変異種が県内で確認され、川勝知事が「感染拡大緊急警報」を発令したことを巡っては…。

鈴木県議:「飲食業や宿泊業では自粛やキャンセルが急増し、事業者からの悲鳴と共に支援を求める声が我が会派にも寄せられ、大きな混乱をきたしている。県民の一部では、外食禁止と受け止めている方が多く、知事が直接、自らの言葉で発する効果は大きいと考えるが、その席での発信は担当者に任せていて、知事自らが責任を果たす気構え感じられませんでした」

川勝知事:「県では自民改革会議の要請も踏まえて、資金繰り支援や、事業補助の強化、多様な業種を対象とする新たな支援事業を創設するなど、苦境におかれた業種の皆様の力になれる施策を実施している。こうした内容につきましては、記者会見等を通じて私自らが直接呼びかけを行っている」

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 次に質問に立ったのは、知事に近い県議会第2会派・「ふじのくに県民クラブ」の山崎政調会長です。

ふじのくに県民クラブ 山崎真之輔政調会長:「知事の3期目の任期も残すところ4カ月あまりとなりました。今この3年半を振り返り、どのような総括をしようとしているのか。そして、それを新しい始まりにどうつなげていこうと考えているのか」

知事は、「ポスト東京時代の理想郷づくり」に全力で取り組んできたと12年間の実績を強調した上で…。

川勝知事:「またリニア中央新幹線工事については、大井川の水資源と南アルプスの自然環境を守るため、流域住民の理解なくして工事に着手することは絶対に阻止しなければならない。新しい始まりとなる7月以降、どなたが知事になっても、この流れを止めることなく継続していくように、しっかりと道筋をつけていきたい。覚悟を決めている」

山崎県議:「本来通例であれば、それをもって、じゃあ次の4期目をどうするんだという質問をするが、やはりそこは知事の言う通り、今は対コロナ最優先ということなので。ただリニアに関しては、若干違う。これだけ熱量を持って国やJR東海に対して、ものが言えるというのは、現状川勝知事しか見当たらないし、そのほかに準備なさっていませんね。やっぱりリミットは来ているので、今後どうされるのか、自身のタイミングで然るべきときに、発信していただきますことを要望する」

 25日も4期目を目指して出馬するかどうか明らかにしなかった川勝知事。静岡県知事選は6月3日告示、6月20日投票です。