「被災地に新たな交流の場を…」 広がる被災者支援の輪 静岡県熱海市土石流災害から7カ月

この土石流災害では、今も自宅を離れて暮らす多くの被災者がいます。
発災から7カ月。より求められる「被災者の支援」。自治体も、被災者自身も、取り組みを進めています。

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「被災地に新たな交流の場を…」 広がる被災者支援の輪 静岡県熱海市土石流災害から7カ月

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 伊豆山地区で被災者支援を行う高橋一美さん(45)。この日向かったのは、伊豆山の隣町、神奈川県湯河原町に避難した被災者のもとです。川口スミ子さん(54)は伊豆山地区で夫と娘そして、猫2匹と一緒に暮らしていました。

川口スミ子さん:「こんにちは。これでいい。助かる。ありがとうございます。こんなにたくさんいいの?」

 高橋さんが届けたのは、「ペット用のシーツ」。

川口スミ子さん:「やっぱ飼っているとありがたいですよね。あれば助かるっていうのはいいですね」

 湯河原町に移り住んで4カ月余り。川口さんが抱く思い。

川口スミ子さん:「やっぱり今まで会っていた人と、会えないっていうのはちょっとさみしいが、でも電話とかラインはつながっているが、直接会う機会はなくなっているので。寂しいっていうのはありますけど」

 バラバラになった地域、薄くなる繋がり。7カ月が経っています。

ふるさとを離れて暮らす被災者への支援

●前川美奈子相談員:「今、体調が悪いとか夜寝られないとか、そんなことはないですか」

 ここは、熱海市総合福祉センター。2階に市が設置した「伊豆山ささえ逢いセンター」。警戒区域に指定されるなどし、ふるさとを離れて暮らす125世帯の被災者を支援しています。※125世帯(1月末、現在)

●前川美奈子相談員:「相談内容の集計ですが、住宅の再建関係とか今お住いの仮設の住まいのこととかで困っているとか、医療・身体のこと、お体のこととか、家族関係も結構多い」

 これからの生活、健康状態…、様々な相談が寄せられます。中でも多いのが…。

●前川美奈子相談員:「伊豆山じゃないところに引っ越されると、どうしても伊豆山のように濃いコミュニティではないので住民同士のあいさつとか、もうそんなことないんでしょうけどよそよそしく感じちゃうとか、そんなふうにおっしゃっています。私たち相談員さんとか市の職員とかがお電話させて頂いたり、訪問するんですけど、私達にできることってあんまり実はなくて、お話を聞かせていただくことがメインになってきて、迷った時に気軽に、お電話頂けるとうれしい」

被災地に人と人がつながる場所を

 大きな被害を受けた、国道135号の逢初橋近く。高橋さんは、ここに被災者たちの交流の場を作る計画を立てています。

●復興支援団体テンカラセン
高橋一美 代表:「観光客の方も来て、地元の方とのまたつなぐ場所にもしてもらいたい」

 資金は去年、クラウドファンディングで募りました。※480万円(目標金額は450万円)

●復興支援団体テンカラセン 
高橋一美 代表:「約400人弱の方のご支援で集まりました。もう感謝しかないですよね。皆さんからお預かりした資金だと思っているので皆さんのお預かりした思いと。ここに何かできたらいいと」

 高橋さん自身も被災者のひとりです。7カ月。薄くなる繋がり、それでも、ここで。

●復興支援団体テンカラセン 
高橋一美 代表:「ここに人と人が繋がる場所が作れたらいい。カフェでもなくなんか喫茶店でもなく。人が人をつなぐ場所」