リニア新幹線工事の環境への影響について国の有識者会議 「背景含め共有するプロセスが必要」静岡県とJR東海で見解に違いも…
リニア中央新幹線の静岡工区の工事に伴う環境への影響を協議する国の有識者会議が開かれ、静岡県とJR東海のこれまでの対話の状況についてヒアリングが行われました。
静岡工区についての国の有識者会議は去年末に大井川の水量減少問題の中間報告をまとめ、今年6月から生態系への影響など環境面の議論を始めました。きょうの会議では県の難波喬司理事に対するヒアリングが行われ県の専門部会で続くJR東海との議論の内容が報告されました。
この中で難波理事は南アルプスには極めて希少な生態系があり周辺環境の影響を受けやすいとした上でトンネル掘削で地下水の水位が下がり周辺の沢の流量が減るという見方でJR東海と一致しているとしました。
しかし、減る量については複数の予測データがあり、JR側から「沢カルテ」を作って保全措置を検討する提案があるものの見解に違いがあると報告しました。これに対して委員からは「予測データはそれをどう使いたいかで左右される。背景含め共有するプロセスが必要」などの意見が出ていました。
JR宇野護副社長「当然必要なデータについては公開させて頂くということになりますしまず(影響を)回避していく。回避がままならない場合は低減するということを優先して考えていく、この考えの順番だと」
県 難波喬司理事「県が無理難題を吹っ掛けているのではないかという疑問が社会には実際存在しますので、それに対し、そうではないんだというところはですね(委員に)お認め頂いたのではないかなというふうに思っています」
有識者会議では今後、静岡市や大井川流域の市と町などからもヒアリングを実施する方針です。