【2021年静岡】堕ちたブランド~激震!焼津カツオ窃盗事件 底が見えない闇…逮捕されたのは漁協職員ら 静岡・焼津市

その量、日本一。年間およそ9万トンのカツオの水揚げを誇る静岡県焼津市。今年、そんな漁業の街に激震が走りました。

静岡・焼津漁協 西川角次郎組合長(12月7日の漁協説明会)
「誠に申し訳ありません」

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計量所通さずカツオ横取りか 被害者弁護士「怒りを通り越してあ然としている」

 代名詞・カツオの窃盗。しかも、関与が疑われたのは管理するべき漁協職員らです。事件が明るみになったのは、10月。

 警察は、あわせて7人を次々と逮捕。市内の水産会社の元社長と漁協の係長が指示役とされ、漁協の職員はいずれも計量担当でした。手口として、それぞれが立場を悪用したとみられています。

本来、水揚げされるカツオは、すべて漁協の計量所で逐一チェックし、買い取った会社がわかるように伝票を付けて保管されます。ところが、係長らは、計量所を通さず、いわば「裏口」から運び込み…。伝票のないカツオを自分の物と言い張り、私腹を肥やしたというのです。

 憤る被害者の声を、弁護士が代弁しました。

水産会社の代理人
「怒りを通り越してあ然としている。全面的に信頼して、(水揚げを)やっていることが見事に裏切られた」

 事件は民事訴訟にも発展。盗まれたと訴える会社によると、被害はおよそ148トン、総額3000万円に上るといいます。

不正は数十年前からか

 12月上旬、漁協は、水揚げする船会社を集めて謝罪しました。

焼津漁協 西川角次郎組合長
「誠に申し訳ありません」

内部調査では、不正が数十年前から横行していたと報告されました。

これに船会社は…。

●東京の船会社
Q.漁協の説明は理解できた?
「……」「理解ねえ……」「全部は納得していない感じ。(ほかの)船主さん方は」「調査報告書の内容に納得していないかな」

 さらに12月、長崎や新潟、宮城の会社も被害を訴えて刑事告訴。それでも、氷山の一角だといいます。

被害者の弁護士  河村正史弁護士
「疑わしいのはいくらでもある。捜査のひとつのきっかけとして告訴した」

 カツオ日本一という、「焼津ブランド」を深く傷つけた事件。その闇は、まだ底が見えていません。