静岡・熱海市土石流災害の遺族らが33億円の集団訴訟 10月中に殺人罪で刑事告訴も

静岡県熱海市で発生した土石流災害で、起点となった盛り土の現在と前の土地所有者を相手取り、遺族らがおよそ32億7000万円の損害賠償を求める集団訴訟を起こしました。

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静岡・熱海市土石流災害の遺族らが33億円の集団訴訟 10月中に殺人罪で刑事告訴も

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財産と「伊豆山」の損害賠償を請求

高橋諒記者:「午前9時半前です。今、遺族らが集団訴訟を起こすため、裁判所に入っていきます」

 地裁沼津支部に提訴したのは、土石流災害の遺族や自宅を失った被災者ら70人です。原告らの財産が損害を受けたことや、「伊豆山」という地域が喪失したことに対する慰謝料として損害賠償を求めるもので、請求額はおよそ32億7000万円にのぼります。

被害者の会代表
瀬下雄史さん:「証拠隠滅の時間を与えない、猶予を与えないようにしようということで、スピード感を持って集団訴訟の準備を進めてきた」

殺人罪での告訴も

その後、遺族らは被害のあった熱海市の伊豆山地区で会見を開き、今回の民事訴訟とは別に起点となった盛り土の旧所有者に対して、10月中に殺人罪で刑事告訴することを発表しました。

弁護団共同代表
加藤博太郎 弁護士:「故意の実証というのはとてもハードルが高いので、業務上過失致死罪での受理になる可能性もあるとは思ってはいますけれども、まずは殺人罪での告訴というふうに思っています」

土石流で母を亡くした
鈴木仁史さん:「(土地の所有者から)何も発言が聞こえてきませんので、せめて自分の土地が崩れて人が死んだり家が壊れたりしてるんですから、お見舞いの言葉ぐらいあっても」

失われた源泉

また被害があった伊豆山地区には、地中から水が湧き出てくる源泉がおよそ100箇所ありますが、今回の土石流でおよそ20箇所に被害が出ています。

赤井谷温泉組合
原幸一 副理事長:「(盛り土の起点)上に砂防ダムがあったんですけど、まったく砂防ダムを乗り越えて海まで土が流れるという、想像に絶するような土石流だったので、あとかたもなく源泉がなくなってしまった。なんとか盛り土の責任追及をして、復興に繋がるような形で目途がたてればなと」

 土石流災害からまもなく3ヵ月が経とうとしていますが、熱海市によりますと今もなお18世帯、31人が避難生活を続けています。

被告側は…

 損害賠償を求める訴えに対し被告側の弁護士は「静岡県と熱海市の盛り土に関する調査の結果が出てから対応を考えていく」とコメントしています。