市と住民側との溝が埋まらず…桜ヶ丘病院の移転先の公園でシンボルの撤去作業 反対派住民「あきらめない」 静岡市
築60年を超え、老朽化が進む桜ヶ丘病院。病院を運営するJCHOと静岡市は、JR清水駅東口公園に移転することで合意しています。
しかし、公園が津波浸水想定区域に指定されていることから一部住民の反対意見が根強く、11月28日には、反対派住民、およそ80人が清水庁舎前に集まり、抗議の声を上げました。その後、移転先の清水駅東口公園に向かって練り歩き、移転計画の見直しを訴えました。
反対派住民
「私たちとしては、あきらめないで、ここに病院を移転して建設するのは、将来に非常に心配なものを建設することになるので、ずっと声をあげていきたいと思っている」
市と住民側との溝が埋まらない中、7日、一般市民の立ち入りが制限され、午後1時すぎに撤去作業が始まりました。重さ5.3トンの円形モニュメントが、クレーンで釣り上げられていきます。
西尾梓アナウンサー
「持ち上げたモニュメントをゆっくりと横に倒して、並べられた材木の上に乗せていきます」
清水駅前のシンボルとして、静岡市が2006年度に6500万円で購入したモニュメント。7日はおよそ13メートルのステンレス製の円が横倒しにされました。8日以降、この円を車に乗る大きさに切断し、8kmほど離れた東静岡大橋の下に運搬するということです。
活用の見通しが立たないまま撤去されることについては、税金の無駄遣いだとする声も上がっています。
先月の会見で田辺市長は…。
静岡市 田辺信宏市長
「これをどういうふうに、設計のコンセプトを生かしながら、活用していくかということは、今検討しているところであります」
モニュメントの撤去など、JR清水駅東口公園を更地にする工事は、来年3月ごろまで続けられる予定です。その後、土地の所有権がJCHOに移り、今年度中には病院建設の工事が始まる予定ということです。