土石流のスピードが速く被害拡大か…大学教授が調査結果を発表 静岡・熱海市

土石流の現場を視察し、堆積物の分析を行った静岡大学防災総合センターの北村晃寿教授が調査結果を公表しました。

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「急斜面を直線的に一気に下った」土石流現場の調査結果を大学教授が公表 静岡・熱海市

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静岡県庁で会見した北村教授は、土石流の被害が大きくなった要因として、土石流の流れるスピードが非常に速かったことをあげ、その理由として、まず地形的な特徴を指摘しました。

静岡大学防災総合センター 北村晃寿教授:「2000メートル海側にいって、400メートルほど下るという非常に勾配のきついところにあったと。非常に直線的な流路であったというのが地形的な特徴です」

北村教授は、土石流が平均勾配率20%という急斜面を直線的に一気に下ったと話しました。そして最も特徴的なのは、土砂に含まれる水の割合が非常に多かったことと分析しました。

静岡大学防災総合センター 北村晃寿教授:「もうひとつ土石流の要因としては、高含水率ということで、非常に早い流下をしてしまうんで、あれだけの速さになってくると気が付いたときには、逃げ遅れているという状態になっていた」

北村教授が持ち帰って分析した堆積物は、最大およそ36%の水を含んでいて、これは一般的な土石流の2倍から3倍の値です。北村教授は現地調査で今回の土石流1.4メートルの大きさの岩を押し流したことを確認していて、地形的な特徴と土砂に含まれる水の割合が高かったことで土石流のスピードがあがり被害が大きくなったと分析しました。また土砂に含まれる水の割合が高くなったことについて、盛り土との関係も指摘しています。

静岡大学防災総合センター 北村晃寿教授:「崩壊前に非常に高い含水率になっていた。そのくらいの隙間が多い盛り土という可能性があると思います」