「誤解」から一転「謝罪」と「撤回」 静岡県・川勝知事『政務』と『公務』区別出来ず
会談は非公開でしたが、知事は発言の撤回と謝罪を行い、市長と、同席した市議会議長に頭を下げたということです。
御殿場市長
勝又正美氏:「私は真摯に本当に昨日までの川勝知事の発言とは全く違った、非常に低姿勢な、本当に心からの謝罪があったのかなとは今、思っております」
御殿場市民や県民へ「ごめんなさい」
その後、県庁に戻った川勝知事は、急きょ、午後9時半から県政記者クラブで会見を開き、御殿場市民や県民に対して、謝罪を行いました。
静岡県知事
川勝平太氏:「御殿場の市民、並びに御殿場市、また県35市町、そして県民の方々、今回の私の発言で不快に思われて、また傷ついた方、心配されている方がいると重々承知していて、誠に申し訳なく思っている。ごめんなさい。そしてああいう激しい選挙戦での発言は撤回します」
797件の抗議に姿勢一転
9日の会見では、発言の撤回も謝罪もしなかった川勝知事。なぜ、強気の姿勢を一転させたのでしょうか。
川勝知事が謝罪に追い込まれた理由のひとつとして、世論の強い反発があったとみられます。県庁には10日までに797件の抗議や問い合わせが寄せられています。
知事に近い関係者は―
「これまでもいくつも失言があったが、今回の逆風は想像以上だった。誤解で通すのは完全に世論を読み違えた」
初めての『政務』、『公務』との区別が…
一方で、川勝知事は、自らの応援演説が問題化したことについて、報道の「切り取り」があったと指摘しました。
川勝知事:「中にはですね、川勝がこんなこと言うのは何事かと、信じられないと思う人もいたと思いますね。ですからそうした、切り取りという面もあったと思いますよ」
Q、知事、しつこくて申し訳ありません。正確にお願いします。切り取りにも問題あったという認識なのか、発言を全て聞けば分かってもらえるはずだという認識なのか、いかかがでしょうか?
川勝知事:「これは難しいですね。いろんな報道の仕方がありますから。ですから、選挙戦の中なのでと、いうように見る人もいるでしょうし、いわば『政務』の中での発言というのと、選挙は戦いですからね。私は差別はしないと、いわゆるどなたも取り残さないのが基本。しかし選挙は、『公務』としてはそれですけど。『政務』は、これは一方を選ばないといけない。他方を言ってみれば厳しく言えば蹴落とさなければいけないわけです」
川勝知事が国政選挙に直接かかわるのは、今回の参院補選と衆院選が初めてです。選挙応援という『政務』と、知事としての『公務』の区別がうまくできなかったことに問題があったとの認識を示しました。
川勝知事:「いままで政務したことありませんから、参議院の補選で初めてのことです、で、そして、公務といいますか、県民の県民による県民のための、そうした立場というのを峻別する。これはよく自覚をせんといかんと」
「もうこの6月(知事選後)から、10月(補選と衆院選)ですか、『政務』に一歩踏み出しました。したがって、政務に入った時の第1回目の失策といいますか、大失態だったと」
御殿場市民は…
知事が謝罪したことを、御殿場市民はどう感じたのでしょうか。
御殿場市民
70代女性:「謝って済む問題なのか?と思う。謝るなら、もっと堂々と御殿場市民の方に対して、頭を下げるのが本当じゃないですか。なんでああいう発言をしたか、すごく怒りを覚えている。一市民として」
40代男性:「謝罪をされたということに関しては良かったんじゃないかなと思いますね。選挙に勝つためにそういう言葉を使っただけであって別に御殿場をこう、悪く言ってるとか見下した感覚では僕はなかったので、あんまり気にしていないですね。」
県議会の反応は…
県議会最大会派の自民改革会議は・・・。
自民改革会議代表
野崎正蔵氏:「誤解だと言っておきながら、周りが大騒ぎになっちゃってから会見をあわてて開くというのは、これは知事としていかがなものかなという感じはしております」
一方、知事与党とされ、最初に知事に謝罪会見を開くよう進言したという「ふじのくに県民クラブ」は―
ふじのくに県民クラブ
会長 佐野愛子氏:「知事が誠意をもって謝っていただきましたので、御殿場市長、議長にもその心が通じたと思っています」