浜松餃子2位に転落…「市民のギョーザ愛は変わっていない」 初めてのトップ「宮崎餃子」躍進のヒミツ

 去年の1世帯あたりのギョーザ購入額で、前年1位だった浜松市が2位に転落しました。総務省の家計調査で、2011年に浜松市が1世帯あたりのギョーザ購入額で初の日本一となって以来、毎年 宇都宮市とトップ争いを繰り広げてきましたが、2月8日に発表された去年の家計調査では、3位 宇都宮市、2位 浜松市、そして1位に宮崎市が初めてなりました。

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浜松市民「宮崎は初めて聞いた」「勝ち負けの思いはない」

画像: 浜松市民「宮崎は初めて聞いた」「勝ち負けの思いはない」

 この発表に 浜松市民は…。

浜松市民(70代):「別に負けたとか勝ったとかという思いはないですね」

Q.ギョーザはよく食べますか?
A.「食べます。食べます。週に2回ぐらい食べますかね、よそのギョーザと違うからね。浜松(餃子)はね。比べものにならないというか」
       
浜松市民(10代)
Q.今回1位を取ったのが宮崎市 ギョーザのイメージはある?

A.「なかったです。初めて聞きました。ギョーザのイメージがないところに負けるのは、浜松市民として残念な気持ちですね」

浜松市民(50代)
Q.今後 浜松市民としてどうしていきましょうか?

A.「全国1位を目指せるように、ギョーザをたくさん買いたいと思います」

浜松市民(80代):「2位でも3位でもいいじゃないかな」

Q.ギョーザはよく食べますか?

A.「1週間に1回か2回だなぁ」

 浜松市民にインタビューすると、週に1度か2度はギョーザを食べるという方ばかり。浜松市民のギョーザ愛を感じました。

「浜松餃子」の定義は

画像: 「浜松餃子」の定義は

 総務省の家計調査のギョーザ購入額にカウントされるのは、スーパーに売っているような焼きギョーザ、生ギョーザ、そして持ち帰り専門店のギョーザということなんです。つまり、冷凍ギョーザや飲食店でテイクアウトするギョーザは含まれません。

 ちなみに浜松餃子の定義は、3年以上浜松市内に在住している人が浜松市内で製造したギョーザのこと。主な具材としてキャベツ、豚ひき肉、ニンニクが挙げられますが 比較的野菜が多めであっさりとした味わいが特徴です。

地元スーパーではギョーザは「総菜売り場で断トツの1位」

画像: 地元スーパーではギョーザは「総菜売り場で断トツの1位」

 浜松市内に23店舗を展開する「遠鉄ストア」。浜松市中区にある「フードワン佐鳴台店」のお総菜売り場。商品部の下条さんに、浜松市がギョーザ購入額で2位になったことを聞いてみると…。

「1位を目指していましたが、2位ということでギョーザを販売する我々にとっても、大変悔しい結果となってしまいました」

Q.遠鉄ストアではギョーザは売れ筋商品ですか?

A.「総菜売り場で断トツの1位。人気の商品になります」

 その売れ行きは、遠鉄ストア全店合わせて1日に3000食以上という人気ぶりなんです。皮が薄くて食べやすいのが特徴。ニンニクの臭いが少ないので昼間食べても安心です。

「宮崎餃子」躍進のヒミツ

画像1: 「宮崎餃子」躍進のヒミツ

 初めての首位に沸く宮崎市。ギョーザの消費拡大に取り組んできた「宮崎市ぎょうざ協議会」の渡辺愛香会長にお話を聞きました。

Q.2021年のギョーザ購入額 宮崎市が1位になった要因は?

宮崎市ぎょうざ協議会 渡辺愛香会長:「2020年の上半期に、宮崎市がギョーザの購入金額、購入頻度の両方で全国1位のニュースが流れた時に、ギョーザの生産者も「宮崎市ってこんなにギョーザを食べるだ」という気持ちでした。宮﨑市民、県民の皆さんのギョーザに対しての意識を少し上げることができれば、もしかしたら 『日本一が取れるんじゃないかな』と」

 宮崎市をなんとかギョーザで日本一にしようと2020年9月 ギョーザ専門店やギョーザ卸会社などで構成された「宮崎市ぎょうざ協議会」を発足。

宮崎市ぎょうざ協議会 渡辺愛香会長:「月に2回程度のギョーザのイベントを行って、とにかく宮﨑市民に1回でも多くギョーザを食べていただくという、意識の向上を計るためのイベントはコロナの中で大変でしたが、うまく出来た」

 「宮崎市ぎょうざ協議会」が開いたギョーザのイベントは徐々に広がりを見せて「宮崎市」は2020年は浜松市、宇都宮市に逆転されて3位でしたが、2021年にはついに1位に輝いたのです。

画像2: 「宮崎餃子」躍進のヒミツ

「肉や野菜など素材には自信」

 静岡ではあまり知られていない宮崎餃子。その秘密とは?

Q.宮崎餃子の定義はありますか?

宮崎市ぎょうざ協議会 渡辺愛香会長:「今のところ、これというものは実は無いんですね。宮崎県が農畜産大国ということもありますので、おいしいお肉、お野菜が身近に手に入るということもあって素材の部分にはギョーザ製造業の皆さん、こだわりを持っているところが共通点」

Q.次回のギョーザ購入額日本一になる自信はありますか?

宮崎市ぎょうざ協議会 渡辺愛香会長:「宮崎市はまだ乱高下が激しくて、2強であります宇都宮市、浜松市みたいな安定感がまだまだ足りないのが課題。すごく宮崎市は暑いので、夏場の消費を伸ばすための戦略だったり、いろいろなものを考えたりしながら、宮﨑市民、県民の皆さんと共にもう一度日本一、連覇というものを目指していきたい」

浜松餃子学会「市民のギョーザ愛は変わっていない」

画像: 浜松餃子学会「市民のギョーザ愛は変わっていない」

 浜松市のギョーザを全国区へ押し上げた立役者、民間の任意団体「浜松餃子学会」の広報担当の花枝さんは 今回の浜松市の2位についてこう分析します。

「浜松餃子学会」広報担当 花枝さん:「今回のギョーザ消費額と前回の消費額を比べると、浜松市は前回の消費額と比べると30円ぐらいしか落ちていない。それをはるか超えてきたのが宮崎市で4184円。やっぱり浜松市の人たちのギョーザ愛は変わっていないところにすごく安心した」

 花枝さんは 浜松市は今回2位になりましたが、話題性という部分でプラスに捉えています。

「浜松餃子学会」広報担当 花枝さん:「今回、新しく宮崎市が1位にドーンと躍り出てきたことによって『ギョーザ』というコンテンツで街が盛り上がったりだとか、浜松市のことが知られたりだとかということ自体が非常に有意義なこと。コロナで大変な時期になるんですけれど、こういうニュースで少しでも地域が元気になってくれればいいなと考えています」

   (2月19日放送)