仕切りを設け、密を避け…コロナ禍の避難所 福島・相馬市で発災1時間後の開設 静岡・裾野市の担当者「本当に驚き」
裾野市危機管理課 亀崎浩子さん:「発災から1時間で避難所を開設できた。映像を見るとパーティションで区切られて、非常に安心な避難所が整備されていて、あれは本当に驚きました」
そう話すのは、静岡県裾野市で防災を担当する亀崎さん。ここは市の指定避難所の一つ「生涯学習センター」です。
こちらの避難所では、少しでも多くの人が避難できるように、段ボール製のパーティションを備蓄しています。
しかし、裾野市の避難所28カ所のうち、こうした仕切りやテントが用意されているのは半数以下の11カ所。市は徐々に備えを進めて行くとしています。
混雑状況をウェブ上で確認 課題は市民への周知
一方で、裾野市が避難所での密を避けるために導入したのがー
裾野市 亀崎さん:「避難所の混雑状況をウェブ上で確認できるシステムを取り入れました。密にならない避難所運営をしなければならないので、的確な避難所に行ってもらうよう促すものとして取り入れました」
避難所の混雑状況をリアルタイムで確認できるシステムです。市のホームページから確認でき、県内の自治体では初めて導入されました。
多くの市民が利用してこそ、効果を発揮しますが…。
須藤アナ:裾野市が新しいシステムを導入したのは知ってる?
市民A:「知らなかったです。避難所に行くのは考えます、やっぱり。皆さんが密になっちゃうというのもありますし」
市民B:「はい、存じ上げてます」
システムの導入は先月発表されたばかり。市民への周知はこれからです。
一方で、運用上の課題もー
システムを機能させるためには避難所にいる職員が混雑状況を随時更新しなければなりません。
裾野市担当者:「(感染症対策のため)非常に細かな作業が必要になってしまった。今までにない負担がかかっていると思う。コロナの中で、密になるから避難所に行きたくないと、避難をためらってしまうことは避けなくてはならない。いかに安心で安全な環境に保てるか職員と地域の方々で協力してやっていきたい」
発泡スチロールで仕切り 軽くてクッション性がある
「感染症対策」が求められるコロナ禍の避難所運営。そうした中、県内企業が開発した商品が注目を集めています。
木村鋳造所 土屋敬課長:「発泡スチロール製の避難所のパーティションです」
清水町に本社を置く「木村鋳造所」。発泡スチロールを使って車の金型などを製造している会社です。
木村鋳造所 土屋課長:「発泡スチロール製のパーティションの特徴としては、まず軽いということ、クッション性があるということ。それから冬場の冷気にも耐えられるということが挙げられます」
須藤アナ:「これから発泡スチロールのパーティションを作ろうと思います。けっこう大きいですけど、ものすごく軽いです」
1枚400グラムと500ミリリットルのペットボトルより軽く、2人で作業すること、わずか5分で…。
須藤アナ:「これで1グループ分のスペースが完成しました。持ち上げるときの苦労は一切ないですね、あっという間にスペースができました」
この「発泡スチロールパーティション」、コロナ禍で、一部事業が落ち込む中でうまれた商品でした。
土屋課長:「エンターテインメント向けの模型、コンサートなどに使うものを制作しているが、コロナの影響でイベントはかなり中止で、だいぶ売り上げも減っている状態になりました。発泡スチロールで模型を作る技術を、避難所のパーティションとして生かせるのではと」
これまでに清水町や沼津市など4つの市や町と災害時にこのパーティションを提供する協定を締結しています。
土屋課長:「大規模災害が発生しないことが一番ですが、もし発生した場合には快適に過ごしてもらえればと思う。」