ふるさと納税に異変? 自治体の担当者も期待大 円安、物価高騰で人気急上昇の返礼品とは…

止まらない円安に、相次ぐ物価の高騰。食料品や生活必需品の値上げが家計をひっ迫しつづけています。そんな中、今“あの制度”が注目を集めているそうなんです。
それが…

「ふるさと納税」

画像1: 「ふるさと納税」

ふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄付を行うことで、次の年に支払う住民税などを控除してもらえる制度。さらに寄付をした地域の名産品などを返礼品として受け取ることができます。自己負担額は実質2000円ほどです。

 全国の自治体がふるさと納税を募集する中、2021年静岡県内で寄付金額トップになったのが焼津市です。その額はおよそ64億円。全国でも11位と他県からも注目されています。

画像2: 「ふるさと納税」

焼津市 経済部 ふるさと納税課 
青島庸行 課長:「昨年同時期と比べ、少しだが多くお預かりしているという状況になる。やはり引き続きふるさと納税の制度の認知がすすみ、市場が拡大しているというふうに見ている」

焼津市で今、ある変化が…

焼津市 経済部 ふるさと納税課
青島庸行 課長:「値上がり前に少し寄付の受け付けが多くなるっていうような傾向がある」

画像: 焼津市で今、ある変化が…

 10月、ビール大手4社がビールの値上げを実施。県内でも値上げ前の駆け込み需要がありました。焼津市では地元にビール工場があることで、以前からビールの返礼品が人気でしたが、今年はこんな傾向があると言います。

青島庸行 課長:「マグロにしてもビールにしても、やはり値上げ前にまとまってお申込みをいただくということがあった」

 焼津市では10月から、メーカーの値上げと同じタイミングでふるさと納税の寄付額をビール1ケースあたりおよそ1000円引き上げました。ところが返礼品をビールにする人は増えているといいます。

青島庸行 課長:「10月から値上げをされてはいるが、やはり税控除を受けられるということで、お得感は残ると考えているので、これから年末に向けて、またたくさんのお申込みをいただけるのではないかと、期待というか考えている」

トイレットペーパーに注目

画像: トイレットペーパーに注目

家計を助ける意味で利用され始めている、ふるさと納税。県内で注目を集めている街は他にも…。トイレットペーパーなど返礼品の多くが紙製品を占める富士市です。

 
 こちらは、富士市の返礼品であるトイレットペーパーを製造している市内の工場。この日製造ラインは、多くの受注を受けフル生産体制で動いていました。

コアレックス信栄 
佐野仁 取締役:「このようなトイレットペーパーですので、日用品の中で、なくてはならないものであるというところと、ふるさと納税だと、そのままご自宅に宅配されるという便利さも求められていると思う。年末に向けて、やはり徐々に伸びていると言うような感じはしている」

 こちらではトイレットペーパーの製造受注が8月頃から増え始め、10月時点で、去年に比べ1.2倍ほどに増加していると言います。なぜ富士市へのふるさと納税が増えているのでしょうか。

その理由について富士市の担当者は…

富士市 産業政策課 
渡邉祐華さん:「食料品よりも毎日使う日用品の方に、寄付者様の方が返礼品を選ぶようになってきているからかなと思っている。富士市の返礼品の多くが紙製品で構成されているが、昨今の原材料費の高騰で値上げをする企業もいるが、できるだけ富士市では寄付金額を変えずに対応できる範囲でしている」

画像: その理由について富士市の担当者は…

 原材料費の高騰などで、商品によっては1つあたりの値段が500円ほど値上がりしたものもあったそうですが、値上げ分を市が負担することで寄付金額を変えずに対応していると言います。

渡邉祐華さん:「昨年の4月から9月の同時期と比べ、件数で言うと1.74倍。寄付金額で言いますと1.61倍増加している。これをきっかけに地域産業の振興に繋がるように、返礼品のPRを市としてもしていきたいと思っている」