川勝知事、今年最後の会見 選んだ漢字は「厳」 来年もJR東海に厳しく?金子社長も会見
川勝知事:
「これは『厳しい』と訓読みするが、『厳』という字でございます。今年は初めからコロナ、ワクチンがまだ配布されていなかったので、出口戦略はワクチンしかないと思っていたが、そうした『厳しい』状況下で、7月8月9月と感染者が増え、8月下旬には700人近くが1日に感染し、緊急事態宣言も出されて非常に厳しかったと思う。そしてそのコロナ禍の中で、7月3日に熱海の土石流が起こったと。まことに厳しいもので襟を正さなければならない。もう一度改めて自然災害等々に危機意識をもってやらなければいけないということになった。それから6月には知事選、そして参院補選と衆議院選挙とございまして、私自身厳しい選挙の戦い、かつ応援演説をして、公人として、してはならない分断を敵味方に分かれるような、そうした現場に入っていったということで、その後厳しい批難を受けて。今年は、この厳しいと、この字を選んだということでございます」
静岡の激動の1年を振り返り、反省の弁も口にした川勝知事。
そして知事がこの1年、知事選で争点化するなど最も強く訴えたのがリニア問題です。先週日曜日には、国の有識者会議が大井川の水資源への影響について、最終的な結論を出すという大きな動きがありました。
リニア有識者会議 福岡捷二座長:
「全量戻せば河川流量が維持されて、そして地下水もほとんど変化が非常に小さいというのが、私どもこの委員会の結論であります」
「大井川への影響は極めて小さい」という報告に川勝知事は。
川勝知事:
「極めて小さいというのは、トンネルを掘削して出る水を全部戻した場合ですから。全て結論には前提がある。全量戻しの方法が書かれていない。初めて有識者会議が『全量戻しには掘削中のものが入る』ということを明確にお書き込みくださいました。全量戻しができるのか、できないかわからない、というのが中間報告を読んでの率直な感想です。戻せないならば、おそらく工事はできないだろうと思う方が多いと思う」
同じ時間に名古屋市で会見を開いていたJR東海の金子社長は。
JR東海 金子慎社長
「今の時点で開業にめど立ったということではありません。静岡県地域の方の理解、協力のために様々な取り組みをしなくては。しっかりした報告は意義あると思う」
「(全量戻しを)なんとかできないかということで考えているが、いまのところその内容、新しいものをお示しする段階に至っていない。検討を進めたいと思っている」
JR東海は、来年以降、全量戻しの具体的な方法を含めて、流域住民への丁寧な説明が求められることになります。
川勝知事:
「丁寧にわかりやすく説明を聞いて、JR東海の説明が分かったということは、それはJR東海の方法を受け入れたと、ご説明を受け入れたということと違いますから。『あなたの言うことは分かった、しかしこれは受け入れられません』ということがありますでしょ。説明を理解したうえで地域の皆様方が、こうした説明内容で工事を進めていいと言われるのか、それともこれはだめだと言われるのかという、それがこれから試されていくことになる」