【静岡高校野球】夏の注目選手紹介【1年生編】

静岡大会は７月８日に熱戦がスタートしました。今回は、この夏から注目したい１年生をピックアップしていきたいと思います。

　まず、８日の１回戦でデビューを飾ったのが静岡商の山本敢生（かんう）です。エース・太田善士のあとを受け、７回から登板。３イニングを１失点に抑えて勝利に貢献しました。中学時代は「駿東ボーイズ」に所属。当時から球威のあるストレートが目を引く存在でした。次戦以降も登板の機会がありそうです。

　静岡商ではもう一人、杉山怜矢が遊撃手として先発出場しました。「静岡中央シニア」時代は右サイド投手としてマウンドに上がった経験もあり、野球センスがピカイチです。今後、伝統校を背負っていく選手になるでしょう。　

　日大三島は県内外から有望選手が集結しました。なかでも注目は入学即レギュラーを奪った渡邉景唯。「長岡東シニア(新潟)」時代は「北信越の怪物」と呼ばれた逸材です。１年生とは思えない堂々とした体格に、迫力満点のスイング。打球があっという間に外野の間を抜けていきます。

　渡邉の他に、東海林啓太、森賀碧（あおい）、土肥雅優（まひろ）、小林和生（かい）がベンチ入り。名将・永田裕治監督の起用法も見どころです。

　名門の静岡には救世主として期待される右腕がいます。「島田ボーイズ」出身の増田煌太朗です。伸びのあるストレートが魅力で、低めいっぱいのコースに決めてきます。球速は138キロをマーク。物怖じしないマウンド度胸もあります。この１年間、投手陣の台所事情が苦しかった静岡。夏は増田の投球がカギを握るかもしれません。

常葉大菊川は児玉一琉（いちる）が背番号９をゲットしました。春の県大会３回戦では４安打の大暴れ。シャープにバットを振り抜いて安打を量産します。また、キレのある球を武器にチームが困ったときに登板する可能性もありそうです。

　杉山一樹（現ソフトバンク）、紅林弘太郎（現オリックス）といったスケール感のある選手を次々と輩出する駿河総合。また一人、大化けしそうな選手が入学しました。身長184センチの一ノ瀨太一。大型右腕として覚醒を期待したいです。

　左腕では掛川東の中川翔太、静清の内藤優央（まお）の将来性が光ります。ともに身長180センチ超。しかも腕がしなる本格派タイプです。

　今年は上記に挙げた選手以外にも夏から出番がありそうな新入生が目白押し。今からチェックしておけば、来年、再来年の静岡の高校野球がより楽しめるはずです！

著者　栗山司
くりやま・つかさ　1977年、静岡県生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌『野球小僧』の編集者を経てフリーに。2012年に地元・静岡に根差した野球雑誌『静岡高校野球』を自費出版で立ち上げ、年２回発行。ブログ『静岡野球スカウティングレポート』(http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/)でも県内の野球情報を発信する。
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