なぜ? 卵が過去最高値でも高価格帯の卵が人気 玉子焼き店やコンビニも苦しむ高値はいつまで続くの?
価格高騰が止まらない“物価の優等生”
“物価の優等生”とも言われる卵の価格高騰が止まりません。
「JA全農たまご」が1月31日に発表した卵Mサイズの卸売価格は1キロあたり305円。統計が公表された1993年以降、過去最高値です。
静岡市のこちらのスーパーでも…。
静岡市70代
Q.きょうこれ、税込みで247円
A.「高いです。ほとんど毎日2つ使うので。安くしてほしいです」
藤枝市70代
「ふー(ため息)。かなり大変ですね。もう、これ以上はちょっときついかもしれないですね」
田子重西中原店 天野克彦副店長:「やっぱり値段が上がっていますね。メインの卵が247円とか、ちょっと記憶にないくらいですよね。あまり高いと、お客さんの来店にも影響してしまうので、そういう中で薄利でやるという形ですね」
価格高騰の理由は飼料価格の高騰に加えて、過去最大規模で猛威をふるっている “鳥インフルエンザ”が影響しています。去年10月以降、全国の家きん農家で3日までに74件発生。国内の鶏のおよそ8%が殺処分されています。
本来なら安価に買い求めることができる卵の価格が上がっていることで、消費者の行動にも変化が―
鶏のえさや養鶏方法にこだわった「特殊卵」と呼ばれる、高価格帯の卵の売れ行きが好調です。
田子重西中原店 天野克彦副店長:「値段がそれこそ特殊卵と、白玉とかメインで売っている卵との価格差がなくなっているので、お客様もその辺は敏感にわかるようで、特殊卵の方がよく売れるようになったんです」
これまでは20円から40円ほどあった価格差が、今は10円から20円ほどに縮まっているため、こちらの赤い卵を手に取るお客さんが増えているそうです。
コンビニでは
鳥インフルエンザの影響で、供給量が減っている卵。その影響はこちらにも。
伊地健治アナウンサー:「こちらはセブンイレブンで販売されているハムと卵のサンドです。卵の供給量の低下を受けて、セブンイレブンでは卵の量を減らし、その分ハムの分量を増やしました。いつまで続くかは未定だということです」
これまでたっぷり入っていた卵ですが、今はやや控えめに。セブンイレブンではその他にも『半熟煮たまご』など、卵関連の商品15品目ほどが販売休止となっています。
玉子焼き専門店では
店員:「これ先に普通の」
客:「ありがとうございます。わー、うまそう」
沼津港にある、玉子焼き専門店「キムラ屋」。こだわりのだしをたっぷり使ったこの玉子焼きを求めて、地元の人や多くの観光客が集まる人気店です。
観光客(20代)
Q.お味はいかがですか
A.「めっちゃ、うまいです。あったかいし。安くてうまいっていいですね」
しかし、こちらの店にも卵の価格高騰が直撃。1日に900個ほど卵を使うため、苦しい台所事情だといいます。
キムラ屋 露木美代子さん:「去年の今時分と今の仕入れ値を見てみると、倍近くまで上がっている。だからやっぱりなかなか厳しいですよね」
契約している養鶏場から仕入れているという卵。ここ数カ月で、、1キロ当たり100ほど上がったといいます。
ふわふわの食感の玉子焼きは1串120円から150円。原材料費が高騰している中、販売価格については…。
キムラ屋 露木美代子さん:「ちょっと厳しいには厳しいけど、やっぱりみんなの笑顔を見たいし、最悪だったら仕方ないと思うけど。できるところまで今の金額で維持してみようかなと思っています。そのうち安定してくれることを願って」
過去最高値となっている卵の価格。いつまで高騰は続くのでしょうか。スーパーの担当者の見立ては。
田子重西中原店 天野克彦副店長:「1カ月はこの値段ですし、その次も3月になってこれが下がるかというと、その見通しはいい情報が入っておりませんので、同じかさらに上がってしまうと考えています」