世界へ羽ばたく技術に!新型コロナの接触感染を防ぐ「空中スイッチ」を開発
こうした中で県内の企業が生み出したのは、触れずに押せる空中スイッチです。
「こちらが開発されたスイッチ。タッチパネルが宙に浮いていて、指をかざすとスイッチを押せる」
開発したのは静岡市の村上開明堂。
自動車のバックミラーなどを製造する大手企業です。
京都のベンチャー企業と共同で、2017年から空中スイッチの開発に乗り出しました。
●村上開明堂 浜野正孝主任研究員
「もともと車載じゃない分野に打って出たい、新しいことやりたいという思いはあったから、この技 術を使っていろんなことができるかなと模索していた」
実用化の足掛かりとなったのがトイレの空中スイッチです。
去年1月ごろからトイレ仕様のスイッチ開発に取り掛かりその後の新型コロナ感染拡大による「非接触」の需要の高まりが実用化を後押ししました。
空中にタッチパネルを映し出し指を近づけると赤外線センサーが反応。
指の位置に応じて操作の内容を判別します。
手をかざして水の音を流す機能などは既に普及していますが、他の機能を使うにはスイッチに触れなければなりません。
空中スイッチを使えば接触なしで水量の変更などの操作が可能になります。
既に村上開明堂の本社のトイレや愛知県の病院に取り付けられています。
静岡県内でも病院や銀行などに設置される予定で、来年春の量産化を目指しています。
●村上開明堂 浜野正孝主任研究員
「テンキーとか社内のエレベーターにも対応しようとか、この技術を使って嬉しさが出るところは世の中にたくさんあると思う」
ATMなどに使われるテンキーへの導入も専業メーカーとの検討段階に入っているということです。
「東京オリンピックがこういう状態になっているが、選手村の1つにこういうのが付いて、アスリートの方々に良さを分かっていただいて、世界に発信できたらいいかなと」
コロナ禍で期待が高まる空中スイッチ。
静岡から世界へと新たな技術が羽ばたいていきます。