静岡大学は「1大学2校案」を正式な案と決定「あくまで合意書の範囲での提案」 浜松医大は「範囲外」と認識


静岡大学と浜松医科大学の統合再編問題で静岡大学は18日、4年前の合意とは事実上異なる「1大学2校案」を正式な案としました。

静岡大学 日詰一幸学長「(皆さんが) もろ手を挙げて 賛成ということではないけど、会議として認めていただくことになった。ただし、だからといって合意書を白紙にすることではないので…」
 静岡大学は18日開いた学内評議会で、日詰一幸学長が私案としていた「1大学2校案」を静大の正式案としました。

 この問題は、2019年に両大学が2つの法人を1つにした上で静岡地区と浜松地区にそれぞれ新たな大学をつくる「1法人2大学」案に合意するも、学部が減る形となる静岡キャンパス側から反対があり、計画は延期に。

 今年7月、日詰学長は当初の合意とは異なる「1大学2校」案というモデルチェンジ案を提案したものの、浜松キャンパス側は学部長らが独自に反対会見を開くなど、対立の様相となっていました。
 
 正式案となった「1大学2校案」を巡っては、日詰学長はこれまでに浜松医科大が認めない場合、「合意書の白紙撤回も辞さない」としていましたが、評議会では「合意書を白紙にするものではない」ことを強調したということです。

静岡大学戦士工学研究所 木村雅和所長:
「白紙にならないという確認だけができたのが、ギリギリのところだったとは思う」 

静岡大学 福田充宏 工学部長:
「力も足りなったかなというところもあるが、我々としては立場は変わらない」

 学部長らによると、日詰学長は正式案について「あくまで合意書の範囲での提案」と解釈していて、今後の役員会で正式決定される見通しです。

 今回の決定で2019年の合意書に基づく再編は極めて難しい状況となりました。

 浜松医科大学の今野弘之学長は「「白紙撤回をしないことを明言されたことを歓迎する」としつつも、「同案は合意書の範囲外であると我々も認識している。浜松キャンパスが反対している中で成案とされたことは、遺憾である」
としています。

浜松医科大学 今野弘之学長
浜松医科大学 今野弘之学長