これは 深刻な事態~「投票できないトリプル無投票」静岡県吉田町
吉田町は、統一地方選前半の県議選で無投票選挙区に。
そして、4月18日に告示された町長選、町議選についても無投票となりました。
人口2万9000人あまりが暮らす吉田町。
町民にとっては、いずれの機会にも票を投じることができない「トリプル無投票」に終わったのです。
男性(93歳):
「私は老人ですから、選挙があれば投票に行くものと思っておりますけど、今回は若い方もあまり関心がなかったんでしょうね」
女性(50代):
「町民として意見は結局選挙でしかないんですけど、その意見が述べられないのはちょっと残念な感じもしました。なれあいじゃないですけど、そういう甘い考えがど
っかででてしまって、少しならいいんじゃないみたいな、そういう感じがでてしまうんじゃないかな。と心配はあります」
町長、町議は
24日午後、町役場で行われた当選証書の付与式。
田村典彦町長と町議会議員が証書を受け取りました。
7選を果たした田村町長。
県内の自治体の長で7回目の当選は記録が残る1987年以降では過去最多タイ。
無投票当選は2期連続3回目です。
田村典彦町長:
「町長選挙、首長選挙は100対ゼロですから、勝てる人間じゃなければ実際出てこられないでしょうし、結果として私は信任を受けたとおもっておりますけど、選挙はあってしかるべきだと思いますけども。それは残念ですけどね。本来なら私の様々な政策であるとか、多選に対して様々なご意見あるでしょうから、それに対してたってやっていただければ、よかったんですけど、相手が出ないことで私もなんともいえませんですから」
一方、定数の13人が無投票当選となった町議会議員は。
盛純一郎町議:
「実際に立候補した身にとっては、複雑な心境もあります。 色々な方が出てきて、自分の政策とか主張を評価して頂きたいと思いますし、実際選挙はエネルギーも必要になるものですから、議員を4年間続けていく中で何か結果を出していきたいと考えている」
地方議会制度を見直す時期という声も
専門家はどのように見ているのでしょうか。
静岡大学 井柳美紀教授
「小規模自治体の場合は、議員報酬の低さといったものが非常に顕著で、若い人の成り手がいないという問題に
つながっている。さらに地域社会そのものの活力が低下してきていて、地域の担い手そのものが減ってきているということがあるのではないかと思う」
吉田町によると町長の年間報酬はおよそ1330万円。
町議は378万円がベースということです。
統一地方選後半では、吉田町のほか、東伊豆町、小山町の町議選も無投票当選となっています。
静岡大学 井柳美紀教授
「地方議会が議員の成り手不足であることによって、地域の声を十分にくみ取ることができなくなるということが1つの問題かなと。これだけ成り手不足が深刻化していることを考えると、抜本的に制度を見直す時期に来ているという気はしている。」