【衆院選】記者解説 ポイントは『世代交代』 静岡県の小選挙区8人の平均年齢が5歳若返る
【1】ポイントは世代交代
石田和外アナウンサー:衆院選、さまざま驚きの結果も。どう総括する?
大島英吾記者:どの選挙区も激戦で、それぞれの勝敗の要因やいろいろな要素があると思いますが、やはり印象的なのは「世代交代」です。県内では自民党が5人、立憲民主党が2人、無所属1人が当選しました。このうち公示前と変わったのは西から8区、3区、6区です。
石田:いずれも激戦が予想されたところ。3区は40代同士だったが8区、6区は若い候補が勝った。
大島:そうです。そして小選挙区8人の平均年齢をみてみますと、公示前は55歳だったのが50歳に若返った。
石田:5歳ですか。8区では文科大臣も経験したが敗れた。
大島:はい。8区で敗北した塩谷さんは、県内の候補で最年長かつ当選回数も最多です。野党共闘による一騎打ちとなった影響もあるとみられますが、当選した源馬さんが強く主張したのは「世代交代」でした。構図、結果ともに今回の衆院選の象徴的な選挙区だったと思います。
石田:6区の渡辺さんも、これまで25年間負けていなかった「牙城」が崩れました。
大島:渡辺さんは、塩谷さんとは与野党が逆で年代も少し違いますが、地元の有権者からすれば、「長年ずっと同じ人」という印象はあったのかもしれません。ただ、塩谷さんも渡辺さんも比例で復活し、これからも議員を続けます。世代交代に加えて、コロナ禍で社会が変化する中、本人たちの口からは「いまが転換期であり新しい時代にむけて発展させる」という前向きな言葉も聞かれました。若手、ベテランともにどんな政策を行ってくれるのか、しっかり見ていきたいと思います。
【2】投票率は過去最低…
石田:そして気になるのが投票率。過去最低となってしまった。
大島:参院補選との連動や期日前の出足が高かったことから、投票率がアップするのではと期待する声もありました。一部の地域では高くなったものの、全体には波及しませんでした。ある陣営では「コロナで政治が身近に感じた人もいれば、何も変わらないと諦めた人もいるのではないか。関心を高めていく努力をしなければいけない」という声も聞かれましたが、同じことがマスコミにも言えて、伝え方を工夫しなければいけないと感じました。
【3】今後の影響は
石田:県内では2週にわたる国政選挙が一区切りとなった。今後はどんな影響がありそうか。
大島:少なからず目立ったのは川勝知事です。2つの国政選挙で野党系候補を応援したことが、リニアをめぐる水問題や県政運営にどう影響するのか。こうしたことも含めて、今後も県内の動きに注目していきたいと思います。