アプリを活用して災害対策 東日本大震災の経験も活かす…静岡・富士市の企業が「防災アプリ」開発
台風15号で大きな被害を受けた静岡県内でも災害への意識の高まりから防災アプリの利用が増えています。富士市の企業が開発したアプリには東日本大震災を経験した社員の思いが込められていました。
久須美舞記者:
「こちらの会社で開発されたのは、スマホやパソコンなどで使える防災アプリです。有事の際だけでなく普段も使えるようアイデアが盛り込まれています」
富士市に本社を置く「KENTEM」は先月新たに企業向け防災アプリの運用を始めました。
「クロスゼロ」というそのアプリには台風や地震などの災害時に気象情報を配信する機能があります。また避難所やハザードマップの情報も見られます。
こうした機能には2011年の東日本大震災で被災した社員の思いが反映されていました。
営業部・仙台営業所 西城忍さん:
「発災、被災した状態の時って、使うにあたってパニック状態みたいになる方もいらっしゃるのかなというところがあるので」
安否確認のページにもある工夫が。
項目が一目でわかるように並び、利用者は必要な項目を選ぶだけで管理者に情報が届きます。
アプリが役立つのは大規模な災害時だけではありません。
今いる場所を選び、事故や火災などのマークをタップすると交通状況などの情報が表示されます。
経営企画部・川村洋平さん:
「SNSからAIで正確な情報かどうかというのをフィルタリングをして、ふるいを掛けたもののみが配信される」
来年春ごろには家庭でもクロスゼロを利用できるよう調整しているといいます。
経営企画部 日向亮介部長:
「自然災害をゼロにすることはできないと思うが、ITの力を使って限りなくゼロに近づけることができるんじゃないか」