新型コロナの検査急増で検査キット不足…「発熱外来」も予約が埋まり福祉施設で働く人などを優先的に 静岡市

 感染の疑いがある人を診察する発熱外来では、検査の数が急増し、備品が足りないという問題も起きています。ドライブスルー方式で診察を行っている現場を取材しました。

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新型コロナの検査急増で検査キット不足…「発熱外来」も予約が埋まり福祉施設で働く人などを優先的に 静岡市

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感染拡大で年明けから検査急増

医師
「鼻だけ出してもらえれば。はいOKです。はい大変でした。じゃあ10分ぐらいで結果が出るので、お待ちください」

 静岡市清水区にある吉永医院。新型コロナの症状が出た人やその疑いのある人を診察する発熱外来を担っています。

 去年11月、駐車場にドライブスルー方式のPCR検査場を開設。感染拡大によって年明けから予約が急増し、日々対応に追われています。

吉永医院 吉永治彦院長
「次の3人も検査だね。じゃあ保険証は確認…。確認する、はい」

検査数増やして対応も「予約はいっぱい」

 こちらの医院では通常の診療と並行して発熱外来を受け付けています。以前は午前と午後にそれぞれ1時間の枠を設け、4人ずつを検査していましたが、今は準備や診察時間を前倒しして検査数を増やしています。

吉永医院 吉永治彦院長
「その日の朝にはその日の夜の分(の予約)、場合によっては翌日までの分が埋まってしまう状況になっている」

 取材したこの日も、午前・午後ともに予約はいっぱい。駐車場もほぼ満車状態でした。検査の重要が一層高まる中、新たな問題が発生しています。

吉永医師:「従来は院内で検査するので15分で結果が出ていたが、いま日本中でPCR検査の試薬が不足気味になってしまっていて…」

 静岡県を含む全国で深刻な問題となっているのが、PCR検査の試薬や検査キットの不足です。

 こちらの医院でもPCR検査薬の在庫が残り少なくなっていて、福祉施設で働く人など、エッセンシャルワーカーに院内の検査薬を優先して使用し、そのほかは外部の検査センターへ検体を送る形へ切り替えました。

吉永医院 吉永治彦院長
「結果が翌日、場合によっては翌々日ぐらいに遅れてしまうというような状況。あと症状がある人は抗原検査のキット、PCRほどの精度はないが、抗原検査をやらせていただいて、それである程度は白黒つけていく」

発熱症状のある患者を診察

この日の午前、最後に診察に訪れたのは発熱症状のある患者でした。

診察の会話
吉永医師)発熱ですね、38℃、いつ頃からですか?
患者)一瞬だったが、きのうの7時ぐらい。
吉永医師)他に熱以外の症状というのは嘔吐と…。
患者)今はよくなったが関節の痛みが
吉永医師)ありましたか。下痢はしてない?
患者)してない。
吉永医師)とりあえず検査を、抗原検査というのを先にやらせてもらって、15分ぐらいで結果が出るのでそれで診ちゃいましょうか。

吉永医院 吉永治彦院長
「今の方は症状があるからとりあえず抗原検査でもいいか、と思ってやってはいるが、できればPCRの方がよかった」

 検査の結果、この患者は陰性が確認されました。納得のいく検査ができていないもどかしさを抱えながら、日々対応しています。

吉永医院 吉永治彦院長
「全体の数が増えてくると、やはり重症の数もある程度増えてくるし、軽症に関しては我々のようなところで頑張っていくしかない。ただ、資材が無くなってしまうとか、そういったことに関してはいかんともしがたいので、国全体で対応できないかというのがひとつだし、感染がこれ以上拡大しないようにしていただきたいと思う」