【特集:前編】阪神・淡路大震災から27年…当時の知事・石川嘉延氏に聞く 静岡県の防災対策に与えた影響

きょうとあすの2日間は阪神淡路大震災から27年の特集をお送りします。お伝えしたようにこの震災は静岡県の防災対策に大きな影響を及ぼしました。当時の知事に、学んだ教訓と現在の県の防災の課題を聞きました。

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【特集:前編】阪神・淡路大震災から27年…当時の知事・石川嘉延氏に聞く 静岡県の防災対策に与えた影響

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石川嘉延元知事「大変なことになった」

石田和外アナウンサー:「地震が起きた時、静岡県知事という立場で、あのどんなことをお感じになりました?」

石川嘉延氏:「私、朝起きて身支度をしていたら、家内がテレビを見ていてね。お父さん、大変なことになってるよっていう話で。市街地が火事で燃えているような映像が出たり、大阪から阪神に向かっている高速道路が倒れている映像も出て大変なことになったと思って」

「防災先進県」としての被災地支援

1995年2月13日OA
石川知事会見:「阪神大震災の教訓を元にもう一度本県の東海大地震対策を見直して」 
     
 1993年から2009年まで4期16年に渡って静岡県知事を務めた石川嘉延さん。当時は就任2年目。東海地震対策に力を入れる「防災先進県」の知事として即座に兵庫県への支援に動きました。

石川嘉延氏:「救援物資が届いたときに保管し、受け入れて、それをどういうふうにあのまあ何ていう被災者に配っていくかとか。一種の仕事の提案を含めて地元の話をしたら喜んで、そういうあの場所指定してくれて、そこで作業のあのに当ったわけで」

画像: 「防災先進県」としての被災地支援

石川嘉延氏:「他人様のいろいろあの困ったことをなんだけど、それを通じてね。具体的なあの実践的ないろいろ対応策。その時にどういうふうにな手順として、どういうものをやってたらいいかっていう、そういうようなことをあのまあ、組み立てて予定していくっていうことをやったんですねええ」

経験と教訓をどう活かすか

画像1: 経験と教訓をどう活かすか

こうした被災地での支援などの経験を元に、発災4か月後に開始したのが「地震対策300日アクションプログラム」。行政の初動体制や自主防災組織の見直し、防災訓練の拡充など具体的な目標を300日で達成するよう行動を起こしました。

 この年、9月1日の県総合防災訓練には県民のおよそ半数にあたる170万人の県民が参加。阪神の教訓を活かそうと高い防災意識で訓練に臨みました。

画像2: 経験と教訓をどう活かすか

 さらに力を入れたのが「耐震化」。「TOUKAI-0」(トーカイゼロ)プロジェクトを推進し、県の基準を満たさない木造住宅などの耐震化を進めていきました。

石田和外アナウンサー:「耐震化に関しては、あの阪神の以前から静岡県は進めてきたと思うんですけれども、阪神を契機にピッチが変わったというのはやっぱりありますか?」

石川嘉延氏:「県民の方も、あのー、ちょっとやっぱりあのまあ、目が覚めたっていうか、そういう影響があったと思うんですね。これはかなり成果が有ったんじゃないかと思うんですけどね」

平穏な日常に防災対策の必要性をどう訴えていくか…

画像1: 平穏な日常に防災対策の必要性をどう訴えていくか…

あれから27年、県の住宅耐震化率は、90パーセント近くに到達。さらに2011年に起きた東日本大震災を契機に津波対策も大転換を迫られ各地に津波避難タワーや防潮堤の建設が進みました。

石田和外アナウンサー:「現在の防災対策をどう見ますか?」

画像2: 平穏な日常に防災対策の必要性をどう訴えていくか…

石川嘉延氏:「頭の中では必要性は充分認識されていると思うんです。行政のサイドも市町も。一般の県民の方もそういう情報が出るとねそうだそうだってなんだけれども、あの頃はかなり日常的に緊迫感があって思うんですね。なかなかこれをあのまあ、何ていう目覚めさせるっていうのは何ともない平穏な時にね。そういうことを訴えてもなかなか浸透してないですね。だからこれは?まあ、それは諦めずに、あのうそういうまあ何ていうか警告をね発し続けるしかしょうがないと思いますね」