異例の1年間を過ごした高校3年生コロナ禍での卒業式で思うこと
静岡市立高校卒業式
県内の多くの高校できょう卒業式が行われました。
コロナ禍で異例の1年を過ごした高校3年生にいまの思いを聞きました。
午前10時ごろ
「静岡市立高校に来ています、この学校の卒業式が間もなく始まろうとしています。会場には卒業生がそろいました。生徒たちを見ていると、晴れ舞台を前に楽しみにしているのがマスク越しでもわかります。」
例年なら卒業生に加えて保護者や在校生など、およそ1000人が出席する静岡市立高校の卒業式。
しかし、密を避けることが求められるコロナ禍の卒業式とあって、卒業生320人とその保護者のみの出席となりました。
「蛍の光」の合唱は取り止め、校歌斉唱は一番だけと短く終えました。
卒業生の答辞。
「私たちが3年生になろうとする昨年春は、コロナウイルスの発生と、世界的な蔓延という、全く未知の出来事に遭遇することになりました。これまでのような行事の多くは中止となりました。」
国内で新型コロナが感染拡大し始めたまさにその頃、高校生活最後の1年をスタートさせた今年の卒業生たち。
文化祭や海外研修などの校内行事、夏の高校野球やインターハイといった部活動の大会も多くが中止になりました。
コロナ禍で卒業を迎え、その収束が見通せないまま、新たな舞台へ歩み始める若者たちは、今何を思うのでしょうか―
卒業生
「最後の文化祭とか、スポーツ大会とかが無くなっちゃったのが思い出が少なくなっちゃったというか、ちょっと寂しかった」
「建築士になりたくて/2年間くらいずっと目指していたけど、コロナになってしまって安定した収入とかを考えると/公務員がいいと思って、進路を変えて公務員にした。」
「大学に進んで教員免許をとれるように頑張りたい/コロナとかで大会が縮小されたりという思いは自分たちしかできなかったので、この経験を生かして何かつないでいけるような教員になりたい。」
富士市立高校卒業式
きょう各地で行われた卒業式。
富士市立高校からは、238人が旅立ちました。
式では感染対策のため、こんな場面も―
「校歌斉唱」♪BGMのみが流れ 卒業生無言
在校中、何度も歌った校歌。
最後に合唱することはなく、卒業生一人一人が心の中で歌いました。
卒業生インタビュー
Qコロナ禍の高校生活どうだった?
「(普通の)学校生活が送れなかったことや、進路に悩んでいても学校に行けなかったことで、だいぶ悩んだ時期があったが、こうやって卒業式が迎えられて進路も決められたのでひと段落したなという感じ。」
Qコロナ禍の未来について ?
「これからもコロナが続くと思うので、コロナを含めてどうやって生活していけるかを自分で考えて、将来の夢に向かって勉強していきたいと思います。」
Qコロナ禍の未来について?
「コロナが落ち着いたら今までできなかったことを出来たらいいなと思う。まずはマスクをはずして皆で会ったりできたらいいなと思います。」
静岡商業 高田琢登投手の卒業式
県内の高校野球界を沸かせてきたこの選手も卒業を迎えました。
静岡商業の高田琢登(たかだ・たくと)投手です。
去年の夏、エースとして優勝候補の静高を破り、チームをベスト4に導くと、ドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズに6位指名を受け、プロ野球入り。
(すでに練習に合流をしている高田投手は)きょうは卒業式のために帰省し、苦楽を共にしたチームメイトとの最後の時間を満喫しました。
3年間、父である晋松(しんまつ)監督と一緒に汗を流した母校のグラウンドで、
今後の飛躍を誓いました。
■横浜DeNAベイスターズ・ 静岡商業 高田琢登投手
「(高校生活は)1番濃い3年間だと思っているので、この3年間の経験を生かして、父を含め、家族に恩返しという形でしっかり返せたらなと思う」
「活躍することはもちろんですけど地元やファンの方に愛されて、注目されるという風になれたらと思う」