リニア工事でJR東海は流出した湧水をすべて静岡県内に戻すことを初めて提案 国の有識者会議
リニア中央新幹線工事の国の有識者会議でトンネル湧水の県外流出などが議論され、JR東海から河川流量や地下水へのリスクと対策案が初めて示されました。
リニア工事による大井川の水問題を議論する国の有識者会議。
これまで山梨との県境付近の南アルプスで行う工事で発生した湧き水が、工事の一定期間
山梨側に流れ出る問題が指摘されていました。
きのう、JR東海は山梨との県境付近での県外流出した湧水は、一部の工事が終わった後
山梨側のトンネル湧水をポンプアップするなどして静岡側に戻す対応策を示しました。
湧き水の県外流出問題で、JR側が具体的な対応策を示したのは今回が初めてです。
会議後有識者会議の福岡捷二座長は、「選択肢としてあり得ることを有識者会議として確認した」などとするコメントを出しました。
また、JR東海は工事によるリスクをまとめ、大井川の中下流域について、「水量減少の
可能性もある」との認識を示しました。
会議を見守った難波副知事は、課題は残っているとしつつも、JR東海の対応に一定の評価を示しました。
● 難波喬司副知事
「今までは山梨側に水が流れても、河川流量には影響ないという説明を続けてきた。ところが、今回初めて影響を回避する、あるいは低減する方法を提案してきた。考え方の大転換をされたので、それはしっかりと評価したい」
次回の有識者会議では、JRが示した湧き水対策などについて議論が継続される見込みです。