表面温度20℃下げる人工芝…開発のきっかけは「子どものやけど」 温度が下がるヒミツは『土』 静岡・三島市
表面温度を20度下げるとされる「人工芝」の広場が、静岡県内で初めて三島市で登場しました。ピクニックにヨガ、夏に向けての楽しみが増えているようです。
表面温度が20度下がる「冷却人工芝=COOOL TURF」
三島市の中心部にある「みしま未来研究所」。その敷地内の広場で16日行われたのは「人工芝」の敷設作業。地元の子どもをはじめ、伊豆総合高校の生徒や市内のNPOのスタッフなどおよそ30人が集まり、作業を行いました。
敷設された「人工芝」、一見普通の芝ですが…。ただものではありません。その名も「冷却人工芝=COOOL TURF」。表面温度がおよそ20度下がるとされています。
そのヒミツは「寒土」
このクールターフを開発したのは濱口光一郎さん。そのキッカケは…。
濱口光一郎さん:「自分の子どもが人工芝のグラウンドでラグビーの試合で足の裏をスパイクごとやけどしまして。僕も元々ゼネコンマンですので、この温度が低減できる人工芝の冷却システムの開発を始めた」
息子のやけどを機に一念発起。脱サラし、今の会社を起こしました。表面温度が20度下がる人工芝…。その秘密は、敷設する際に撒く土にあります。
濱口光一郎さん:「寒い土と書いて『寒土』というものを中に充填することによって、冷却や温度の低減、抗菌性、消臭、それから子どもたちが走り回るクッション性とかもいい実現ができている」
「寒土」には、冷却効果があるとされる石灰石を砕いたものや天然のココナツ繊維のチップを使用。そこに雨水などの揮発効果を組み合わせることで、芝の表面温度が下がる仕組みです。
「寒土」は環境に優しいSDGs商品
さらにこの「寒土」、天然素材のため海や川に流れても害はなく、環境に優しいSDGs商品としても注目を集めています。
NPO法人みしまびと 山本希理事長:「もともとはここ、イワダレソウという草を植えていて、そこで色んなイベントだったりとか、活動が行われていたんですけれども、やっぱり冬になると枯れてしまう時季があったりとか手入れが結構大変だったということもありまして、それで今回やろうという決断になりました」
敷設するのは150平方メートル。人工芝を専用の機械でならしたあとに、ポイントである「寒土」をまいていきます。
そして、最後に水で潤したら完成です。
出来立ての広場。子どもたちは走り回ったり、大人は寝転がったりして
人工芝を堪能。
子ども:「土をまくところが楽しかったです。ここで寝転がったりしたい」
伊豆総合高校もの作り部 木村大樹くん:「体勢がちょっと厳しい時もあったりして、結構難しかったりして苦しかったんですけど、地域の方との交流とか自分で楽しくできたので、楽しくできました」
山本希理事長:「ここまで急に緑ができたことによって、いろんな人が過ごしたいイメージを持ってくれるかなって思う。例えばヨガをやりたいという人が出たりとか、子どもとここでシートを敷いてピクニックしたいというのもあるでしょうし、天気のいい日にはみんなで外で飲めたら最高だなって、それぞれがイメージすることはいっぱいあると思うので、それをひとつずつ実現していけるといいと思っています」
あいにく、そこまで気温が上がらなかった16日。夏になるにつれ「COOOL TURF」の実力が実感できそうです。