静岡・牧之原市の突風被害から1カ月 復旧進むも住民の生活は…
静岡県牧之原市で竜巻とみられる突風が発生してから1カ月が経ちました。被災地の様子はどのように変わったのか?牧之原市に住む2人を取材しました。
少しずつ復旧進む被災地
竜巻と見られる突風被害から1カ月。被災地では少しずつ復旧が進んでいます。
牧之原市によりますと突風被害を受けた住宅が対象の罹災証明書は69件、住宅以外を対象とした被災届出証明書は87件の申請を5月31日までに受け付けたということです。
また市には義援金が1024万円、ふるさと納税を活用した寄付金は196万円集まりました。市は被害に遭った世帯や施設には義援金の配布を、市の復興・復旧には支援金の活用を急いでいます。
布引原地区で1人暮らしの女性
須藤誠人アナウンサー:「牧之原市東萩間の上空です。かなり広い範囲にわたって突風による被害と見られます大きな影響が出ているようです」
5月1日、竜巻とみられる突風で家屋の屋根がはがれたり壁に車がぶつかったりして140棟の建物が損壊しました。
白鳥衛記者:「牧之原の突風被害からおよそ1ヶ月が経ちました。こちらの被害にあわれたお宅ではいまだ服に泥が付いており、被害の大きさを物語っています。雨漏りの影響かこちらのブルーシートには水が溜まってしまっています」
この家に住む女性Aさん(75)。突風で屋根や窓が壊れ家の中に雨水や泥が入り込んでいる状態です。
女性Aさん:「あまり変わりないけど、少し片付いて。心はちょっと落ち着きました。でもうちの中ちょっと落ち着いていないというかそのまんま」
Aさんは1人暮らし。この分量の片づけは難しく、保険や罹災者証明の手続きもあるため、1ヶ月経った今でも片づけに専念できていないといいます。
女性Aさん:「ここにいたら怪我か大怪我か命ないかなと思うとゾッとするね」
突風が発生した時は藤枝市の娘の家にいて難を逃れました。被害を受けた「母屋」は解体し、今後は被害の少なかった「離れ」で暮らしていくということです。
坂部地区でハウス栽培を営む女性
一方、被害が大きかった布引原地区からおよそ9キロ離れた坂部地区でも、ビニールハウスなどに被害がありました。
女性Bさん(67):「ビニールが剥がれただけかなと思ったんです、暗いから。またすぐ主人と出直して奥の惨状を見て、もうなんて言っていいのか。ぺちゃんこにつぶれてるんですよね」
Bさんは1人でイチゴやブドウを栽培しています。今回の突風で所有するビニールハウス6棟のうち4棟でビニールがはがれたり、ハウスが全壊したりする被害に遭いました。
厳しい状況の中ですがわずかな光明も見えています。
女性Bさん:「今年の秋植える親株を育てていたんですけど、ハウスは本当に倒壊に近かったんですけど、その苗が無事だったんです。なんとかこれを基にして、次に半分でもいいから進めて行こうって気持ちで」
イチゴの親株は無事で、来年以降も栽培が可能だといいます。今も全壊したままのハウスがありますが、市や県の援助もあり環境省が撤去する手続きを進めているということです。
女性Bさん:「ほんとに皆さん支援してくださって、応援の言葉もたくさんいただいているものですからね。がんばらなくっちゃと思います。負けません」
県は5月補正予算に牧之原市の突風被害の支援金として3300万円を計上しています。