「まん延防止措置」初めての夜…休業した店「お酒出せない居酒屋って、何屋」 1日3時間だけ営業する店も 静岡市

須藤誠人アナウンサー(静岡・葵区 8日):「きょうからここ静岡市も対象になっている「まん延防止措置」が適用されます。その影響からか、普段より人出が少なくなっているように見えます」

画像: 「まん延防止措置」初めての夜…休業した店「お酒出せない居酒屋って、何屋」 1日3時間だけ営業する店も 静岡市

 静岡市最大の歓楽街・両替町。8日、まん延防止措置が適用されて初めての夜を迎えました。3連休の中日でしたが、人通りはまばら。飲食店に入る人もあまり見かけられませんでした。

静岡市民 20代:「仕方ない。あとは各々がどれくらい自粛していくかというところ。自分たちの身の危険ということを考えると、なかなか(飲食店を)利用しづらい環境にはなっていくと思う」

静岡市民 50代:「しょうがないと言えばしょうがない。でも本当に飲食店だけなのかなって。昼間も皆出ているので、本当にロックダウンくらいしないと」

 まん延防止措置は、県東部の全域と浜松市・静岡市など県内22の市と町が対象となっていて、飲食店などには午後8時までの時短営業と、酒類の提供停止が要請されています。

休業を余儀なくされた店も 「お酒出せない居酒屋って何屋ですか

 中には、通常通りの営業ができなくなったことで、休業を余儀なくされた居酒屋もありました。

居酒屋店長
「色々思いはあるが、休まなきゃいけない部分と、その(まん延防止措置)中でやらなければいけない部分と、でも受け入れない部分もやっぱり…」

 こちらの店では、お盆休みがある8月は、年末に次ぐ2番目の書き入れ時。ここ数カ月の店の売り上げは、例年に比べ7割近くまで回復していて、夏の営業に向けて準備を進めていましたが、今回のまん延防止措置によって、その見込みが全く立たない状況に。

 これまで定休日以外には、ほぼ休みをとることはなく、10年間営業を続けていましたが、今回1カ月休業という苦渋の決断を下しました。

画像: 休業を余儀なくされた店も 「お酒出せない居酒屋って何屋ですか

居酒屋店長
「お酒出せない居酒屋って何屋ですかっていう。夜はダメというのは、夜の店は全部やめろって言ってるのと同じなのかなと。結局これが年末に響いたときにもっと厳しくなるので、そこは切り替えるしかないのかなと思う」

1日3時間だけ営業 

 一方で、営業を続ける選択をした居酒屋もあります。

日本料理を中心としたこちらの居酒屋は時短要請に従い、午後5時~8時までのわずか3時間だけ、店を開けることを決めました。

画像: 1日3時間だけ営業

店長
「いろんな意見があると思うが、少しの時間でもおいしい料理を提供できたらと思って、営業という形をとることにした。これから1カ月間、3時間と限られた中でとなると、(売り上げは)落ち込むと思う」

 こちらの店の一人当たりの客単価は、通常3500円~4000円程度。そのうち1000円~1500円ほどがお酒の売り上げでしたが、酒類の提供停止によって、8日からその売り上げは全くのゼロとなりました。

 店側も従来とは異なる営業スタイルに戸惑いを感じています。

店長
「居酒屋は酒を飲みながら面白い話、悔しかった話なんかをする空間の提供だと思っている。それが、酒、時間を削られた時に、どこまで居酒屋としてお客さんに楽しんでいただける空間を提供できるかとなったときに、すごく難しい」

そして…午後8時前。

 時短要請に従い、この日は営業を終了。訪れた客は結局2組だけでした。まん延防止措置は今月31日まで。多くの制限が課されるなか、営業を続ける飲食店は苦しい状況が続きます。

店長
「皆さん足並み揃えていき、初めて(感染者の)人数が減っていくと思うので、その辺は県や市の支持に従いながらやっていけたら。なので、そこを少しでも寄り添って、前向きな方向に行けたらと思う」

(8月9日放送)