J2藤枝MYFCの絶対的司令塔・横山暁之がJ2千葉へ完全移籍! 練習生から契約をつかみ4年「僕にとってかけがえのないもの」藤枝への感謝をつづる
藤枝MYFCは18日、背番号10のMF・横山暁之(26)がJ2千葉に完全移籍することを発表した。横山は東京都出身で、東京ヴェルディユースから北陸大を経て、練習参加から契約をつかみ2020年に当時J3だった藤枝MYFCに加入した。
巧みなボールタッチ、得点も奪える絶対的司令塔として昨季は13ゴールを決めてクラブ創設初のJ2昇格に導くと、今季もJ2で40試合に出場、6ゴールをあげ、J2参入1年目の藤枝の躍進に大きく貢献した。シーズン中もオファーが届いていたが、FW渡邉りょう(現C大阪)やMF久保藤次郎(現名古屋)の移籍もあり藤枝に残留していた。
横山はクラブを通じてコメントを発表、4年過ごした藤枝への愛を綴っている。「藤枝MYFCに関わる全ての皆さま、今年もご支援ご声援ありがとうございました。移籍することに決めました。藤枝での生活はこれ以上の幸せはないのではないかと思うほどで、僕は藤枝が大好きです。クラブの発展を間近で感じ、歩みを共にしたいと思うこともありました。立ち寄った飲食店でサポーターの方とこれまでの歴史を話したり、スポンサーの方や藤枝市のサッカー発展に今まで尽力されてきた方々のお話を聞いて、これからも藤枝でサッカーを続けることは自分の中でやりたいことの一つでもありました。
藤枝でのこの4年間は順調だった訳ではありません。1年目の僕を知っている人からすると今の僕は全く別人のように見えるくらい、藤枝でのスタートは全く思うようにいきませんでした。チームメイトに気を遣い、すごく小さくなり、自分のプレーを表現することに臆病になっていました。それが私生活にも影響し、孤独を感じた日々でした。そんな中で、谷澤達也さんや枝村匠馬さんに助けてもらい、辛い日々の中でも良い出会いに恵まれました。そうしてこの世界を生き抜き手に入れた藤枝での生活は、この瞬間がずっと続けばいいのにと思うことがあり過ぎるくらい幸せです。
ここまで苦労して苦労して手に入れた今の幸せは、僕にとってかけがえのないものであり、手放したくないものでもあります。
ただ、それが大事であればあるほど、現状に満足してしまいそうになる怖さがありました。ここまでのサッカー人生は、常にチャレンジャーでした。無所属から始まり、全く試合に出れない日々、孤独な毎日から、もがいて成功したくて必死でした。
サッカー選手である以上、今の生活がずっと続くことはないです。
現状にすがっていると、気付いた時には手遅れな状況も考えられます。
気付いたら活躍できなくなっている。気付いたら契約がない。
移籍先もない。そういう状況になり得ると思います。
苦労して苦労して手に入れたこの藤枝での生活が大事だからこそ、
もしかしたら移籍することで状況が悪くなるかもしれないという恐怖に打ち勝ち、変わらないといけないのです。
また、僕の好きな言葉の一つにこのような言葉があります。
『本当にやりたい事を邪魔するのは他のやりたい事である。』
僕が今後サッカー選手として本当に欲しいものを手に入れるために、手放さないといけないものもあるのです。
藤枝でのプレーも、常に挑戦でした。何度失敗をしても気にせず、確率が低いプレーでも、果敢にゴールを目指す。その姿勢が、応援してくださる方々に響くのだと信じてプレーしていました。皆さんの期待に、藤枝の選手として応えられないのは申し訳ないですが、1人のサッカー選手として、挑戦する姿を見せたいと思います。
須藤さんには、自分の人生を変えてもらいました。
須藤さんは僕自身で掴んだものだと言ってくれますが、選手はいつでも選ばれる側で、やるべきことをやっていても、選んでくれる人がいないと活躍できません。ポテンシャルを信じて、実績のない僕を、勇気を出して使い続けてくれて感謝しています。
須藤さんの言葉の一つ一つは、今後の僕のサッカー観に大きく影響すると思います。須藤さんと共に、これからも目標を掴みたいという思いもありますが、僕の自分勝手な思いで途中で離脱してしまい、申し訳なく思います。須藤さんに巡り会えたことは、僕の財産です。
皆さま4年間、応援ありがとうございました。これからの藤枝サッカーの発展を心から応援しています」