なぜ? 静岡県が4年連続で移住先人気ナンバー1 横浜から移住したキャンプ場オーナーに密着 静岡・富士宮市

 コロナ禍をきっかけに注目を集めるようになった、県外からの移住者。1日に「ふるさと回帰支援センター」が発表した調査では、2023年の移住希望地として静岡県が1位を獲得しました。実は、静岡県が1位を獲得したのは4年連続です。

静岡県が4年連続1位
静岡県が4年連続1位

 支援センターで、静岡への移住に関する相談件数は過去最多の5万9276件。一体なぜ、静岡がここまで人気なのでしょうか。

静岡県移住相談センター 橋本真理子相談員:「首都圏から近くて中京圏や関西方面に出やすいという交通アクセスの良さや、温暖で雪がほとんど降らず、海も山も富士山もあって自然環境が近い環境であることが人気の理由かなと。観光で(静岡に)来る方も多く、その時の印象が良かったり、静岡県人の人柄の良さを挙げてくれる人も多いので、色んな理由が複合的に絡んで人気になっているのかなと」

 年々多くの移住者が訪れるようになった静岡県。実際に県内に移住した人は、静岡のどういった部分に魅力を感じているのでしょうか。今回、番組では、実際に県外から移り住んだ人に密着取材。長く住んでいると気づかなかった、移住者から見た静岡県の魅力とは…?

橋本真理子相談員
橋本真理子相談員

富士宮市に移住した人は…

笹村朱里アナウンサー:「富士宮市猪之頭地区のキャンプ場に来ています。実はこちら、県外から移住してきた人がオープンさせたキャンプ場なんです」

 人口およそ13万人の「富士宮市」。その中心市街地から車で30分ほど北に向かった猪之頭地区にあるのが、3年前にオープンしたキャンプ場、「グランパパ」です。

笹村朱里アナウンサー
笹村朱里アナウンサー

笹村アナ:「キャンプ場グランパパの敷地内に来ています。少し歩いただけでもかなり広いことが分かりますし、何より富士山がとってもきれいに見られます」

キャンプ場「グランパパ」
キャンプ場「グランパパ」

 4年前に横浜から移住してきた、キャンプ場のオーナー、瀧澤尊広さんです。

グランパパ 瀧澤尊広さん「もともと富士宮には縁があって、50年ぐらい前の子どもの頃に、父親が別荘を買って、遊びに来ていたりして、水がとにかくおいしいし、水がきれいなので、ここは最高だなと思って移住を決めた」

瀧澤尊広さん
瀧澤尊広さん

 瀧澤さんは新横浜で生まれ育ち、15年ほど前からはラーメン屋を経営していましたが、新型コロナの影響によって営業自粛や客足の減少に追い込まれ、4年前に移住を決断。富士宮市でキャンプ場をオープンさせました。

グランパパ 瀧澤尊広さん
Q.ここは何ですか?
A.「これはDIYで作ったウッドデッキサイト」
Q.(自分で)作った?
A.「作ったんです。トントントンって、ギコギコギコって」
Q.本当に業者に頼んだわけではない?
A.「どこかの何とか工業とか何とか工務店とかじゃなくて、仲間とアルバイトの人たちと一緒にこれをつくった」

DIYで作ったウッドデッキサイト
DIYで作ったウッドデッキサイト

 実は、このキャンプ場は、そのほとんどが手作り。瀧澤さんは、時には自ら重機に乗り、山を削ってキャンプ場の整地をしていると言います。

自ら重機に乗ることも
自ら重機に乗ることも

 そんなこだわりが詰まったキャンプ場のなかでも、瀧澤さんが特にオススメだというポイントが…。

グランパパ 瀧澤尊広さん:「ここがジブリ風サイトなのよ」

 川の目の前につくられたこちらが、瀧澤さん一押しのキャンプサイトです。

グランパパ 瀧澤尊広さん
「初夏には朝日の光線が乱反射して、すごく綺麗な光景が映る。これがジブリ風」

ジブリ風サイト
ジブリ風サイト

 その光景がこちら!

 木々の間から降り注ぐ太陽の光によって、辺り一面はなんとも神秘的な光景に。こちらのキャンプサイトはこうした自然をより感じてもらうために、必要最低限の整備しかしていないと言います。

グランパパ 瀧澤尊広さん:「こういうところが移住したかった理由。こうしたところを毎日味わえるというか。それが移住したくなった理由かな」

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ラーメン店も

 移住によって、富士宮の自然を満喫している瀧澤さん。キャンプ場のオーナー以外に、もう一つ別の顔もあるんです。それが…。

自家製麵手打 瀧ざわ 瀧澤尊広さん
Q.今作っているのはラーメン?
A.「俺の気合と根性と汗と涙のラーメン」
Q.キャンプ場をオープンさせてラーメンも作っている?
A.「もともとラーメン屋だったので、今回国道沿いで新しくラーメン屋をオープンすることになりました」

自家製麵手打 瀧ざわ
自家製麵手打 瀧ざわ

 富士宮市の国道139号線沿いに、3月1日から瀧澤さんがオープンさせたのが、「自家製麺手打 瀧ざわ」。

 椅子やカウンターはキャンプ場で伐採した丸太を利用した、手作りです。実は瀧澤さん、移住前にやっていた横浜のラーメン屋は、現在も毎週火曜日だけ営業していて、次の日には富士宮市に戻るという2拠点生活を送る移住者でもあります。つまり、富士宮でのラーメン店開業は移住先での新たな挑戦の1つなんです。

 そんなお店の自慢の1杯が、こちらの中華そば。スープは三島産の軍鶏を使った鶏ガラベースの醤油スープで、分厚くカットされた焼きたてベーコンが特徴のラーメンです。

お店の自慢の1杯
お店の自慢の1杯

笹村アナ:「いただきます。自家製麵だからか、小麦の香りがすごく立っていて、こだわり抜いたスープにとっても良く合います。このベーコン焼きたてだからこそ香ばしさも残りつつスープが良くしみ込んでいてすごく満足感がある」

笹村アナ
笹村アナ

 60歳を超えても新たな挑戦を続ける瀧澤さん。静岡での移住生活はどうかんじているのでしょうか。

瀧澤尊広さん
Q.横浜から移住してきて静岡はどう?
A.「最高。夜になるとキャンプ場はありえないぐらいの星の数。それが天気のいい日は最高の贅沢。そんなところで仕事をしたり大好きなラーメンもお客さんに喜んでもらったり、静岡に移住して最高」

Q.いま移住生活は?
A.「もうエンジョイ。61歳、大満足です」

なぜ? 静岡県が4年連続で移住先人気ナンバー1 横浜から移住したキャンプ場オーナーに密着 静岡・富士宮市

 都心部とのアクセスが良く、自然も豊富な静岡。県民にとっては慣れてしまっているこの「あたりまえ」が、移住希望者にとっては魅力あるポイントなのかもしれません。

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