たんすに眠っていた着物を人形に そして思い出の品として大切な人に
たんすの中で眠ったままの着物を人形に生まれ変わらせ、大切な人にプレゼントしてもらおうという取り組みがあります。取材しました。
金があしらわれきらきらと輝くつややかな衣装。
繊細な刺しゅうが施された人形は優雅で上品な顔立ちをしています。
人形が着ているこれらの衣装、元はと言えば…着物の帯です。
好光人形 藪崎昌男社長:
「今なかなか日本でも 着物を着る、帯を締めるという文化が少なくなってきたので、ちょうど世界でもSDGsの再生化をうたっているので、何かできないかと思った時に、お母さんとか おばあちゃんの着物を、お世話になったおばあちゃんに逆にプレゼントするというか」
女の子の誕生を祝い、健やかな成長を祈って祖父母や両親から贈られる雛人形。
それが娘から親へプレゼントするという新しい発想もあるようです。
人形作りの現場へ
藤枝市にある岡部工房。
預かった着物を仕立てるのは雛人形の制作に携わりおよそ60年の村松よし江さんです。
村松よし江さん:
「お袖を茶色のところで出してくださいということで、姫のほうのお袖は茶色の方とグリーンで」
一つひとつ丁寧に。作業は全て手作業です。
村松よし江さん:
「お客さんに喜んでもらえるような感じにしたいなと思ってやっていますね」
こうしてたんすに眠っていた着物の帯が蘇ります。
世界に一つの雛人形。
豪華な色合いの衣装は古典柄が引き立っています。
好光人形 藪崎昌男社長:
「感謝の気持ちを込めてお母さまに何かをプレゼントするという時に、世界に一個の昔着た若い時に着た着物で思い入れあるものをプレゼントするというのは、昔でいうわびさびにつながるんじゃないかと。こういったものがひとつの文化というか、こういった形でもあげられるということで、ひとつの文化ができればと思っております」