巨大地震の実態を解明できるか? 世界最大級の科学掘削船「ちきゅう」が6日に清水港を出港
巨大地震の実態解明に向けての調査が始まります。世界最高級の能力を持つ科学掘削船「ちきゅう」が6日清水港を出航します。船の内部はどうなっているのか取材してきました。
現在、清水港に停泊している海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」。全長210メートル、海面から深さ1万メートルまで掘削が可能です。
5日行われた「ちきゅう」の報道向け見学会。今回の目的は東日本大震災から13年がたち、発生翌年に調査した東北沖の震源域を再び調査。次に起こる可能性のある巨大地震に向けて、断層などの変化を捉えることを目指します。
●プロジェクト首席研究者 筑波大 氏家恒太郎教授:
「東北地方太平洋沖地震でたまったひずみが解放されました。そのひずみが、次の地震に向けて貯め始めてるのか、それともまだ貯め始めてなくて、深部から破壊が浅部にやってきたときに伝導して起こったのか。そのどちらかを明らかにしたい」
●石田アナウンサー:
「水面から高さ120メートルあるという掘削やぐらです。かなりの高さを感じます。そしてあちらに見えますのが、長さ40メートルのパイプです。あちらのパイプをつなぎ合わせて、海底に下ろしていくことで、7000メートルの深海を調査します。」
このパイプを7000メートルの海底に沈めるまでには、丸二日かかるそうです。海底の温度を図る作業はかなりの緻密さが求められるといいます。
●海洋研究開発機構 江口暢久 統括責任者:
「(1/700のスケールで考えると)10メートル上から0.25ミリの針金を下ろしていってですね、海底にある1ミリより小さい穴に0.25ミリの針金を通すことをやります」
今回の調査が、静岡県が直面している南海トラフ巨大地震の解明にもつながる可能性はあるのでしょうか?
●プロジェクト首席研究者 筑波大 氏家恒太郎教授:
「浅いところが大きく滑るという意味では、南海トラフでもその可能性はありまして、実際南海トラフの浅部を掘削したときにも、やっぱりそういう地震のときに滑ったという証拠が見つかっているので、つながることはあると思います。」
巨大地震の実態解明を目指し、「ちきゅう」は6日清水港を出航、調査は12月まで続きます。