ピクトグラムを交通安全に生かそう 静岡・裾野市で実証実験
意味などが直感的に分かる簡単な図や記号のことをピクトグラムと言います。このピクトグラムを交通安全にいかそうとする実証実験が静岡県裾野市で進んでいます。
車のヘッドランプの部品などを製造している南部化成裾野事業所。ここで進められているのが2022年度から静岡県と南部化成が共同で開発したピクトグラム投影システムを活用した交通安全の実証実験です。
事業所敷地内で見通しの悪い道路を想定。AIカメラで車の接近を感知すると路面に投影装置から矢印が映し出される仕組みです。
その模様を生み出しているのがこの小さなプラスティック製の板です。肉眼では分かりませんが表面には光の屈折で模様が出るよう、1辺が1mm未満のマイクロプリズムが数千個並んでいて、光を当てるとこのように矢印が映し出されます。
●南部化成金型技術課 小方亮治課長代理:
「社内で頻繁にヒヤリハットが上がる現場ではあったんですけど、こちらから帰宅する人とかフォークリフトを運転してくる人が死角になって見えないという問題がありましたので、ここで下でピカっと出てくれると非常に来ているトラックが分かりやすいというような反応をいただいています」
実際の道路での運用に向けては法改正など様々な課題があるといいますが、県はそのほかの分野での活用も視野に研究を続ける考えです。
●県工業技術研究所 豊田敏裕博士:
「例えば建物の中の避難誘導であったり、浸水が起きそうなところを重点的に、危ないときにメッセージを出すというような使い方も考えられる。県の中でも照明産業は大事な産業の一つですので、県内の企業色んな方が新しい製品開発に挑戦していけるように技術的な部分で支えていきたい」