【豪雨】気づきにくい『床下』の浸水被害(後)…ほふく前進で進みながらポンプで排水 ボランティアに密着 静岡・沼津市

 この日、「しぞ~か・まめっ隊」のメンバーは、沼津市原地区で浸水被害を受けた住宅へ向かいました。14日の水曜、事前に千代さんが点検を行い、床下に水が残っていることが分かっています。

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【豪雨】気づきにくい『床下』の浸水被害(後)…ほふく前進で進みながらポンプで排水 ボランティアに密着 静岡・沼津市

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「床上浸水ではないけれど、もうギリギリ」

画像: 「床上浸水ではないけれど、もうギリギリ」

伊地:今ここが道路に面した家の…、玄関は高くなっているんですね、階段でね」
住民:「ここまで来ました」
伊地:「ここまで水がきたんですか?」
住民:「玄関まで」
伊地:「床上浸水ではないけれども、もうギリギリ、あともうちょっと上がったら床上浸水になるということですね」
住民:「そうですね」
伊地:「これは何ですか?」
住民:「これは床下に入った水が抜けていっていますね」
伊地:「抜けているということはつまり、コンクリートを染みて外にでている?」
住民:「染みて出ている」
伊地:「この中に水があるということ?」
住民:「そうですね」

 一度床下に入ると、およそ1時間作業を続けるため、綿密な打ち合わせをしてから開始します。

伊地:「今この床下にはどれぐらいの水がある?」

千代さん:「ちょっと、奥のほうまで(今週水曜の点検で)最終的に入っていないので分からないのですけど、1cmちょっとぐらいの水がたまっている。ポンプが使える量なので、ポンプでまず水を取って、全部吸い取れるわけではないので、あとはスポンジやタオルを使いながら手作業で取っていくという形で、たぶん1日かかっちゃうかな、というような作業」

床下の様子は…

 今回のメンバーは、床下に入るのが、千代さんを含め3人、1人が、点検口の上からサポートします。

伊地アナ:「ちょうどいま、床下が高さが50cmないぐらいで、人1人が横になってようやく入れるぐらいの狭さなんですけど、床下にたまった水を電動のポンプで吸い上げているところです。ポンプを見ると分かるように、このあたりは水はそんなにないのですけど、今吸っている所には、だいぶ水があるのが分かります。水がここを通っているのが分かりますね、中に入っているボランティアの方が、ホースの先のほうに水が集まるようにゴムのワイパーを使って水を集めています」

 床下からポンプで吸い上げた水は、ホースを伝って屋外へ…。そもそも、床下での作業は、どういうものなのか? 「しぞ~か・まめっ隊」の吉本成美さんに撮影をお願いしました。

伊地アナ:「女性隊員の成美さんが、水を吸い出すために中に入りました。大人が1人横になってギリギリ通れるような狭さ、そして、少しずつの通路を通って別の区画、別の区画に移動しながら、たまっている水を吸っていくということです」

 こちらが、吉本さんが撮影した床下の映像です。ほふく前進のような体勢で進んでいます。

画像1: 床下の様子は…

「しぞ~か・まめっ隊」吉本成美さん:「床下の状況は、だいたい1cm弱ぐらいの水が全体的に全部の部屋に回っている感じになっています。これを今から、このゼロポンプというポンプを使って、全部水を抜いていこうと思います」

吉本さん:「このようにポンプに向かって水をかき集めて、ポンプに吸わせている感じです」

画像2: 床下の様子は…

住民「濡れた家財道具もなく、頼むつもりなかったけど…」

 床下の排水を行うボランティアを依頼したきっかけは?

床下浸水した住民:「床上浸水していないし、濡れた家財道具もないので、(ボランティアを)頼むつもりはなかったんですけど、お隣の奥さんが「頼んだほうがいいよ」と教えてくださって。(社会福祉協議会に)電話して見に来ていただいた」

伊地:こういうことをしてくれるボランティアがいるのは?
住民:「初めて知りました」
伊地:「安心?」
住民:「そうですね、安心感はありますよね」

伊地:専門的なボランティア、ハードルの高い作業に挑んでいるのはなぜ?

しぞ~か・まめっ隊 千代幸嗣代表:「いつか自分が困ると思っている。南海トラフの地震が起きた時に自分が困るだろうから、そういった時に誰かに絶対助けてもらうだろう。僕が困らなくても、僕の家族や友だちが困るかもしれない。そういった時に、誰かが助けてくれるといいなと思っているので、僕が困っていないときは、僕が誰かのお手伝いをして、僕が困っている時とか、僕の仲間が困っている時には
その輪が広がっていって、その人を助けてくれたらいいなと思っています」

 この日1日で、排水の作業は完了。サーキュレーターを床下に置いて、およそ2週間、乾燥させます。

しぞ~か・まめっ隊 千代幸嗣代表:「初期対応、床下の乾燥というような活動は今月いっぱいである程度は落ち着いてくるかなと思う。今後、家の修繕に関わる部分で、ある程度のお手伝いはできると思いますので、そういった点はちょっと長く、梅雨明けいっぱいまではかかると考えています」

自宅が浸水被害に遭ったら…

画像: 自宅が浸水被害に遭ったら…

 万が一、自宅が浸水被害にあった場合、私たちは何をすればよいのか? 教えてもらいました。

災害対応NPO MFP 松山文紀代表:「まず、はじめにやってほしいことは、被害に遭った状況を必ず写真で記録に残してほしい。撮ったあと、手をつける前に少しでもいいので、これから生活再建するまでの間に、何をしなくてはいけないのかをいくつか整理できると、ずいぶんペース配分が違ってくる。その後に、1週間以上たって、ある程度廃棄しなくてはいけないものの廃棄が済んだ時に、ここからはじっくり時間をかけて(床下を)乾燥させないといけない、それによって家への傷みが最小限に抑えられる」
                        

   (6月17日放送)