ダウン症の少年が描く絵に元気をもらう 浜松市で大村剛輝さんの個展が開催

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 浜松市でダウン症の少年が描く作品の個展が開かれています。「好きなことを伸ばしてほしい」と活動を応援する家族の思いを取材しました。

 浜松市中央区のコミュニティースペースで開かれた個展。その会場で一人もくもくと絵と向き合うのは、画家の大村剛輝さんです。

 会場にはサインペンだけで描いた恐竜や動物などの、カラフルでポップな作品およそ40枚が並び訪れた人を楽しませます。

●浜松市 妻:
「いろづかいがよくて一つ一つの作品が可愛くて心が癒される」

●浜松市 夫:
「剛輝くんが見ている捉え方が特徴掴んでいて、色合いも綺麗で他の人にも知らせたい」

●浜松市 (60代):
「気持ちが落ちている時にすごく純粋な絵を見せていただいて、ホッとして治りそうかなと思っている。よく見て書いていて想像して色の使い方もすごく素敵」

 浜松市中央区で暮らす剛輝さんは、特別支援学校に通う高等部3年生。ダウン症があり言葉を発すことが少し苦手ですが、家族の前では物まねをしたり歌ったりして、人を楽しませるのが大好きなムードメーカー的存在だといいます。

 三人兄弟の末っ子として生まれた剛輝さんは、8歳上の姉の影響で1歳になる頃からサインペンで絵を描いてきました。得意なのは、自分の目で見たものを絵で表現すること。

●和田佳代子記者:
Qこれは何かな?

●剛輝さん:
「僕がこれ(フィギュア)を見て、絵を描きました」

 そんな剛輝さんの活動を支えているのが母親の由実さんです。

●母・由実さん:
「好きなことを伸ばしていけたらいいなっていうのを感じてきた」

 剛輝さんがダウン症だと告げられたのは生後すぐのことでした。

●母・由実さん:
「生まれた時にダウン症ってことを言われて、青天の霹靂でなかなか受け入れることができなかった」

大村剛輝さん
大村剛輝さん

 そんな家族の支えになったのが、地域の交流の場として剛輝さんが生まれて3カ月後に開設したミニ図書館「絵本文庫」でした。

 剛輝さんは幼いころからここで遊んだり、絵を書いたりして多くの交流が生まれました。由実さんはここで、同じダウン症や不登校の子を持つ親と子育てについて話し合う機会を設けています。

●母・由実さん:
「絵本文庫に来てくださる方は、ここがあってよかった仲間同士繋がる場所ができてよかったですって感謝されることも多い。私自身を支えてくれた場所であるので、本当は私自身が感謝している」

 剛輝さんが初めて人前に絵を出したのは中学2年生のとき。学校になじめず不登校になった剛輝さんを元気づけようと、由実さんが考えたことがきっかけでした。

 そこで作品が認められたことで自信をつけた剛輝さんは、日常生活でもさまざまなことに挑戦するようになり、自分の意志を伝えようとするようになったといいます。

●母・由実さん:
「今は剛輝きから力をもらっている、家族一人一人が生きるエネルギーを剛輝からもらっているんじゃないかと思っている。同じ障害を持っている仲間の方や家族の方に、なにか希望を持ってもらえる存在になっていったら良いと思って活動を続けていけたらと思う」

大村由実さん
大村由実さん