「みそ漬けした血痕に赤み」検察側が実験で弁護団の主張に反論 静岡・袴田事件

いわゆる「袴田事件」の再審請求審で、弁護団がねつ造と主張している衣類に付いた血液について検察側がみそ漬け実験を行い、弁護団の主張に反論する意見書を東京高裁に提出していたことが分かりました。

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「みそ漬けした血痕に赤み」検察側が実験で弁護団の主張に反論 静岡・袴田事件

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1966年、静岡県の旧清水市でみそ会社の専務一家4人が殺害された事件で、当時30歳の袴田巌さんが逮捕・起訴され死刑判決を受けました。死刑判決の大きな根拠となったのが、事件から1年2カ月後にみそタンクで見つかった「5点の衣類」と呼ばれる血まみれの衣類です。
裁判では、袴田さんが犯行時に着ていたと認定されました。弁護団は、去年東京高裁での裁判のやり直しを求める手続きで、「衣類を長期間みそに漬けると血液の赤みが残らない」とする実験報告書を提出しました。

関係者によりますと、検察側も去年9月からみそ漬け実験を行い、弁護団の主張を否定する反論書を先月24日東京高裁に提出したということです。反論書で検察側は、血液の量やみそ漬けになるまでの乾燥の程度が血液の色の変化に影響を及ぼす可能性が高いと分析。その上で「5カ月みそ漬けした血痕に顕著な赤みが観察できた」などとし、弁護側の実験を「新証拠としての明白性は認められない」と主張しているということです。

検察側はこの実験を弁護団に公開したといい、弁護団は近く会議を開き、今後の対応について協議をするということです。