シラスは豊漁に向かうのか…黒潮大蛇行に終息の兆し 18日の漁では水揚げ12トン 静岡・磐田市

古賀りなアナウンサー:「正午前の福田漁港です。たったいまシラス漁を終えたばかりの船が戻ってきました。漁の結果は、どうだったのでしょうか」

 遠州灘を漁場とする磐田市の福田漁港。戻ってきた船の上にはー

古賀アナ:「船の中を見ると、たくさんシラスが詰まったバケツ、置かれていますね。たくさん獲れているのではないでしょうか」

 港に戻ってきた船から水揚げされるシラス。他の船からも同じように次々と運び出されていきます。すると、ご厚意で…。

シラスは豊漁に向かうのか…黒潮大蛇行に終息の兆し 18日の漁では水揚げ12トン 静岡・磐田市

6日ぶりの出漁で計10t

古賀アナ:「本当に獲れたての生シラスをいただきます。とろけます。新鮮なので、すごく香りも良くて噛む度に磯の香りがふわっと鼻を抜けます」

 6日ぶりの出漁となったこの日、海に出た船は、27隻中25隻。水揚げされたシラスは、あわせて10トンとなりました。

シラスは豊漁に向かうのか…黒潮大蛇行に終息の兆し 18日の漁では水揚げ12トン 静岡・磐田市

遠州漁業協同組合 鈴木計貴事務局長:「いつもよりね。漁獲がありましてね。本当はね、もっとね、もっと揚がるんですけど、比較的獲れたんじゃないかなと思っていますね」

 本来であればもっと量が欲しいところだといいます。

漁師:「まぁまぁ。普通だな、きょうは」

シラスは豊漁に向かうのか…黒潮大蛇行に終息の兆し 18日の漁では水揚げ12トン 静岡・磐田市

 3月下旬に解禁となったシラス漁ですが、天候や波の影響などで出漁ができない日も多かったといいます。さらに…。

遠州漁業協同組合 鈴木計貴事務局長:「シラスがいないものだから、出漁回数は減ってしまう。出漁してもゼロで帰ってくる可能性もあるものですから、それを考えたら出ない方がいいんじゃないかと。溜めてから行った方がいいんじゃないかというところで…」

 水揚げされたシラスは、直後にセリへかけられ、次々に引き取り手が決まっていきます。

シラスは豊漁に向かうのか…黒潮大蛇行に終息の兆し 18日の漁では水揚げ12トン 静岡・磐田市

シラスは加工工場、そして食堂へ

 真剣な眼差しでシラスを見極めているのは、磐田市内で加工業を営んでいる伊藤長寿さん。

カネチョウ水産 伊藤長寿代表:「きょうは、太いのから細いのまで色々獲れています」

 シラスの大きさにより最適な加工方法を判断しているといい、この日は、3時間ほどセリに参加して40カゴほどのシラスを仕入れました(1200キロ以上)。

カネチョウ水産 伊藤長寿代表
Q.揚げたてですけれど、これ、この後どうなるのでしょうか
A.今からすぐ加工場で茹でます

シラスは豊漁に向かうのか…黒潮大蛇行に終息の兆し 18日の漁では水揚げ12トン 静岡・磐田市

 港から数分の場所にある加工工場へー

古賀アナ:「先ほど獲れたばかりのシラスが既に加工され始めています」

 工場に着くや否や釜揚げの専用機械に投入されたシラス。ほんの数分後にはー。

古賀アナ:「茹でられたばかりのシラスがベルトにのって続々と運ばれていきます。ふっくらまさに茹でたてですね」

 最短で、水揚げされてから1時間もかからずに茹でられるシラス。その後は、「しらす干し」にするため、工場外で天日干しに。こうしたスピード感こそが新鮮で高品質なシラスの秘訣です。

カネチョウ水産 伊藤長寿代表:「とにかく時間勝負ですね。魚が小さいので、もう鮮度が落ちるのも早いもんですから、とにかく水揚げしてセリ落としたら1分でも早く、1秒でも早く加工をして製品にすることを心がけています」

シラスは豊漁に向かうのか…黒潮大蛇行に終息の兆し 18日の漁では水揚げ12トン 静岡・磐田市

 こうして作られたものは、工場に併設の直売所や浜松などの市場へ出荷されているそうです。水揚げされたばかりのシラスは近隣の食堂でもー

おせんや食堂 鈴木沙織さん:「お待たせしました。生シラス丼になります」
古賀アナ:「ありがとうございます。これが先ほど獲れたばかりの生シラスですか!」

シラスは豊漁に向かうのか…黒潮大蛇行に終息の兆し 18日の漁では水揚げ12トン 静岡・磐田市

 1957年創業の老舗「おせんや食堂」。当時から提供しているのが、人気ナンバーワンの生シラス丼です。

古賀アナ:「いただきます。ん~最高です! この本当に噛む度に、とろっとシラスの旨味が溢れてきます。とても繊細で上品な甘みで、苦みだったり渋みはほとんどないですね」

おせんや食堂 鈴木沙織さん:「船から上がってすぐに港から持ってこれる鮮度の良いシラスを皆さまにお食べ頂くことができますので、それはうちの自慢でもあります」

 福田漁港にとって貴重な水産資源である「シラス」。今年の漁獲量は、例年の7割ほどになっているそうですが、関係者は“ある期待”を口にします。

黒潮大蛇行終息か…漁獲量の増加期待

遠州漁業協同組合 鈴木計貴事務局長:「(黒潮)大蛇行がなくなってくれて、シラスが来ていいようになってくれればいいなと思っていますね」

 5月、気象庁は7年以上にわたり続いてきた黒潮大蛇行が終息する兆しであると発表。そして6月11日、黒潮が大蛇行していない状況を確認したとしていて、これが漁獲量の増加に繋がる可能性があるとしています。

遠州漁業協同組合 鈴木計貴事務局長:「やっぱり潮の流れもシラスにとっては大事なものですから、シラスが豊漁がこれで続いてもらうこと、ほかの魚ね、カツオとかもね、水揚げがぼちぼちあってくれることを願っていますね」

シラスは豊漁に向かうのか…黒潮大蛇行に終息の兆し 18日の漁では水揚げ12トン 静岡・磐田市

 静岡にとって欠かすことのできない「シラス」。福田漁港では18日の漁でもおよそ12トンと“良い兆し”になっているようです。

おせんや食堂 鈴木沙織さん:「黒潮大蛇行が収まりつつあるということで、生シラスがまたたくさん戻ってきてくれると嬉しいなと思いますし、是非多くの皆様にシラスを味わって頂けたら嬉しいなと思います」