仲間たちとともにロービジョンフットサルを 新しい光を目指して 「FCアルース静岡」

ロービジョンフットサルという競技をご存じでしょうか。ブラインドサッカーとは違い弱視の人がプレーするスポーツです。この種目に出合い視力が落ちても前を向く静岡県島田市出身の選手を取材しました。
静岡市で開催されたフットサルの大会。
見た目は健常者のフットサルと変わりませんがある特徴があります。
「やべーみえねー」
競技の名前はロービジョンフットサル。
弱視の選手がお互いを補い合いながら通常のフットサルと ほぼ同じルールでプレーします。
試合の中で華麗なドリブルを披露するのは、島田市出身の中村愛都選手です。
中村選手は幼稚園のころからサッカーを続けていましたが、21歳の時にレーベル遺伝性視神経症と診断され、視力が0.01以下となりました。
中村愛都選手
「全体的に視力が落ちているのでぼやけが強い。中心暗転という症状が出ているので、真ん中のぼやけが特に強くて、砂嵐みたいになっている」
見えなくなる中でも中村選手は決して絶望することなく前を向き続けました。
中村愛都選手
「絶望感とか、お先真っ暗っていう考えには当時あまりならなかった。周りの家族、職場の人、友達だったりにもすごく恵まれていたのでくたばってられない。まだまだ自分は前を向く必要があるのかなと」
そんな中、出会ったのがロービジョンフットサルです。
自分の視力でプレーすることを諦めたくないという中村選手の思いに賛同、共感した人が集まり、4月東海エリア初となるロービジョンフットサルチーム「FCアルース静岡」が誕生しました。

この日はFCアルース静岡のデビュー戦。
対戦するのは関東の強豪チームCAソルア葛飾です。
試合は2対0で敗れましたが、デビュー戦を終えた選手たちの表情は誇らしげでした。
中村愛都選手
「公式戦デビューをして、まずは1点取れるように頑張りたいです」
ポルトガル語で光を意味するアル-ス。
新しい光の方へ中村選手は歩き始めました。
