知床半島の観光船遭難 静岡県内に影響も 専門家や同業者はどう見る…

おととい23日、北海道の知床半島の沖合で観光船が遭難した事故で、これまでに1人の子どもを含む11人の死亡が確認されました。

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知床半島の観光船遭難 静岡県内に影響も 専門家や同業者はどう見る…

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消息を絶った知床の観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」には、子ども2人を含む乗客24人と乗員2人の合わせて26人が乗船していました。
そのうち男性7人、女性3人、合わせて10人の死亡が確認されていました。そしてきのう午後11時すぎ、海上保安庁の巡視船が知床岬付近で、子ども1人を救助しました。東京から来た3歳の女の子で、きょう午前に死亡が確認されました。
観光船は沈没した可能性が高いとみて、海上保安庁は超音波を使って海中の物体を探す「ソナー」と呼ばれる機械を導入し、海底の捜索を続けています。

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専門家は

今回の事故を県内の専門家はどう見ているのでしょうか。

Q:今回のこの事故の要因っていうのは、どういうところにある?

東海大学海洋学部 
山田吉彦教授:「一番の要因は出港の判断ミスですね。今季初めての航海ということで、久しぶりに受け入れたお客さんを離したくなかったということと、せっかく来ていただいたお客様にサービスを提供したいという思い、この二つの思いが強くてあえて危険に目をつぶってしまったんだと思います。判断、これは絶対、忘れてはいけませんし、間違えても行けない、人の命がかかわることですので、決して起こしてはいけない、間違いであると思います」

 山田教授によると、小型の遊覧船は「小型船舶検査機構」という政府の検査を年に1回受けているため、今回の事故は船の傷などより、むしろ運行管理に問題があったといいます。静岡県内にも遊覧船業は多くありますが、同様に事故が起きる可能性はあるのでしょうか。

東海大学海洋学部 
山田吉彦教授:「海洋都市静岡の方のモラルは高いので、船の事故というのは比較的少ない。今回は1隻だけで出航してしまったという問題点と、周辺漁業者や他の同業者との接点が薄いということが一つの問題だったと思う。対して静岡の場合は、比較的同業、連携をとりながら、そしてしっかりと官庁とも連携を取りながら、運行している海洋都市として安全を守ってきたという状況にあると思います」

画像: 専門家は

静岡県内の同業者は

一方で、県内の同業者は…

富士山清水港クルーズ 
田島昇 取締役:「同業者としまして、非常に心の痛むところで、事故というのはいつ起こるかわからないもんで、何かあった時には、一人もけが人を出さないような対策をとって行きたいと思っております」

 こちらのクルーズ船は、風速が16m以上、もしくは波の高さ2mを越えれば運航しないという規定があります。今回の事故を受け、新たに対策の追加などはありませんが、GWも間近に迫る中、現在行っている点検などを徹底していくといいます。

富士山清水港クルーズ 
田島昇 取締役:「平常時と変わらず、安全点検等実施して運航しておりますので、それに加えて救命訓練なんかも実施しておりますので、ご安心いただいて乗船していただきたいと思います」