ドローンが大活躍!? 樹木葬専門の霊園は景観バッチリ…骨壺は「紙製」驚きのワケは/当世お墓事情(前) 静岡・伊東市

伊地健治アナウンサー:「伊東市にある、はなうたガーデン伊東という霊園の入り口に来ています。オープンしたのは去年の9月ということで、まだ1年経っていませんが、多くの申し込みがあるということです」
出迎えてくれたのは、事務局長を務める三井さん。早速、霊園の中を案内していただきました。
伊地アナ「うわー、すごい、もう、海が見えて…。あそこにあるのは…?」
三井勇人事務局長「大島ですね。今うっすら見えているのが、利島になります。伊豆七島も天気のいい日には、よく見えます」
伊地アナ「いやー、気持ちのいいとこだな…」
伊地アナ「目の前にこれだけ海が広がってると、ここに埋葬されたら、バーッて、飛んでいけるんじゃないかなっていう」
はなうたガーデンは、国立公園内にあり、伊豆七島を望める抜群のロケーション。元はゴルフ場だったということで、敷地は広大です。1㎡を1区画として提供しており、その区画数は…なんと1万以上です。
伊地アナ「これ、青々と見えるところは、霊園ということなんですか?」
三井事務局長「ロープで仕切られているんですが、その中側が全て、墓域になります。」
伊地アナ「いわゆる墓石というものはない?」
三井事務局長「墓石、墓標などはないような形で販売をさせて頂いております。私たちは“ガーデン葬”と呼んでますけども、一般的には、樹木葬という部類のものになる」

骨壺は「紙製」
樹木葬とは、墓石の代わりに、木や草花を植え、その周囲に遺骨を埋葬するお墓の形式のこと。樹木葬専門のこちらの霊園では、バラや、サルスベリなど、植えられた花ごと7つのゾーンに墓地を分け。お客は気に入ったゾーンを購入し、お骨を埋めます。
そして、こちらの霊園の特徴はほかにも…
三井事務局長「紙製の骨壺になります」
ディレクター:「紙でできた骨壺?」
三井事務局長「紙です」
ディレクター:「本当に軽いですね。ここにお骨を入れる?」
三井事務局長「下の方にご遺骨を納めて、上の段は生花で装飾する。この骨壺で埋葬しますと、だいたい1年くらいで(骨壺は)土に還る」
そしてこの紙の骨壺を埋める際、行われるのが…花納骨式。骨壺を穴に埋め、フラワーシャワーで故人を送ります。自然に還ることを重視する人に、この樹木葬が今、注目されているんです。

人気のヒミツは
そしてさらなる人気の理由が…
伊地アナ「料金はどのくらい?」
三井事務局長「1区画が49万8000円、あと埋葬料が1人あたり、12万3800円かかる。生前中は、霊園の運営管理料として、9900円かかるが、亡くなった後は費用の発生が全くない」
1区画の料金は、およそ50万円から60万円。そこに埋葬料や、式典代などが加わった総額でも、62万3800円から。墓石のある墓と比べ、その費用は半分以下と安く、およそ年1万円かかる運営管理料が、死後発生しないプランも選べるため、遺族に負担を残しません。
でも、墓参りに来た人は、どうやってお骨を埋めた場所を把握するのでしょうか? 取材で訪れた日、墓参りにきていた伊東市在住の社本さんご夫婦。この霊園に、一番最初に納骨しました。
Q墓参りに来たのは何度目?
妻・峰子さん「3回目ですね」
ON「どなたが眠っている?
夫・社本真一さん「僕の両親」

ドローン大活躍
去年9月にオープンした樹木葬専門の霊園、はなうたガーデン伊東。お墓参りに来た社本さんご夫婦が、骨壺を埋めてある区画で待っていると…。
伊地アナ「今、ドローンが飛び上がりました!おーっ、高く空に上がりました!」
待機していたドローンが、記録されている位置情報に基づき、骨壺が埋められた場所へ向かいます。
伊地アナ「来ました来ました。上空、ドローンがこちらに近づいて来てます。すごい…。あっ、ゆっくり降りてきました」
夫・社本真一さん「(ドローンは)止まって待っててくれるんですよ。我々が着くまで」
伊地アナ「あっ、止まった」
ドローンは骨壺の埋められた場所へ到着。すると、骨壺の埋まっている場所を指し示すため、その場でホバリングを開始します。

夫・社本真一さん「手を合わせましょう。」
伊地アナ「ここで、はい。」
墓参りに来た人が、墓にたどりついたことを確認し、ドローンは帰っていきます。
三井事務局長「この区画の地図になるんですけども…」
伊地アナ「こんなにある?1番から477番まで」
三井事務局長「その中の1つを、ちゃんと指示すれば、そこの場所に、GPS使って、番号を入力することによって、飛んでくることができます」
Q.ドローンが墓へ案内してくれるシステムについて
妻・峰子さん「驚きましたね」
夫・社本真一さん「世の中、進んだなと」
妻・峰子さん「孫とか来ても、喜ぶんじゃないかと」
社本さんご夫婦が、この霊園を選んだ理由は…
Qなぜこの霊園を選んだのか?
妻・峰子さん「私たちも、お墓を守っていくことと、子どもたちに守ってもらうことが困難な事情がありまして。私自身、樹木葬がいいなと思ったんですね」
夫・社本真一さん「息子たちにも、負担掛けないで済むと思って」
こちらの霊園を運営する法人は、ゴルフ場のコース管理や、公園の芝生など、造園をメインとする会社の支援で設立。
Q.なぜ霊園を開設?
三井事務局長「社会貢献ができる仕事はないかと検討した結果、お墓はどうだ、ということになりまして。」
ゴルフ場の利用者が減少傾向の中、どうすれば、土地を有効活用できるのか?悩んだ末、社会貢献の一環として、霊園の開設が決まったのだといいます。
三井事務局長「管理の問題とか、お墓離れをしたいお客様が大変多いので、亡くなった後には費用負担もないし、そのまま置いておいていただいて、何の負担もかけることもないので、ご家族の方に。お客さまには喜ばれている」
