駿府城のナゾに迫る!? 新発見の古い地図に市長も興奮「ぜひ歴史博物館に」 静岡市
伊地健治アナウンサー:「今から400年前、安倍川を渡った旅人たちはこの旧東海道、今の新通を真っすぐ東に向かって歩いて行くと、ちょうどそこに駿府城があるんですね。巨大な駿府城の天守は旅人の目にはどのように映っていたのでしょうか。静岡市の中心市街地に位置する駿府城公園。徳川家康公が築城した駿府城の巨大な天守台が上空からでもはっきりとわかります」

謎に包まれた駿府城
徳川家康が晩年を過ごした「駿府城」。天守台の発掘調査が進められていますが、度重なる火災や地震などで、天守はわずか25年ほどで消滅。関連史料はほとんど見つかっておらず、多くは謎に包まれています。

新たに見つかった史料とは
新たに見つかった重要な史料は、山梨市にある、創業1856年の老舗時計店にありました。出迎えてくれたのは、4代目の「藤原義久」さん。
片寄翔太アナウンサー「今回駿府城に関する貴重な史料が発見されたということなんですが、それは一体どんな資料なんですか?」
藤原さん「駿府城の城内のことが書いてある絵図が見つかりました」
片寄アナ「静岡から来たんですけど見せてもらうことはできますか?」
藤原さん「特別にお見せしますね」

史料を見せてもらうため、店舗奥の部屋へと案内してもらいました。箱の中にはー。
藤原さん「開けますよ」
片寄さん「お願いします。おーーーぉ!これですね」
藤原さん「そうなんです。こちらになります」
片寄アナ「駿府御城内絵図とありますけども」
藤原さん「約300年以上前の紙になりますので、少し虫に食べられたりとかもしてますけど、その頃からすごいきれいにまだ残っているような感じ」
およそ15年前、郷土資料のコレクターでもある藤原さんが都内の古書店で偶然購入したという絵図の写し。半年ほど前に専門家に見てもらったところ、貴重な史料であることが分かったといいます。

片寄アナ「この地図の特徴といいますか、歴史的な価値というのはどういったところなんですか?」
藤原さん「この辺の部分。この天守って書かれてる部分なんですけど、こういった部分が何か正確に書かれている。あまりここの部分が今までもやっとしていた部分が書かれているのが結構貴重みたい」

静岡市の調査員は
今回の発見がどのような価値を持つのか、発掘現場の調査員に聞きました。
静岡市歴史文化課 松井一明さん「実を言うと、(これまで参考にしてきた)絵図からは、どこにどういう建物が建ってたのか分からないんですね。少なくともこの天守台の上の形はこれ(今回発見された絵図)で分かりました」
松井さんによれば、これまで唯一、駿府城の天守が描かれた史料では、天守の形が正方形になっていました。ところが、徳川家康の業績を中心に江戸時代初期の出来事をまとめた文献には、駿府城の天守は「およそ24メートル×20メートル」と、長方形との記述が。今回見つかった「駿府御城内絵図」は、長方形で描かれているため、より正確な史料とみられているのです。

伊地アナ「史料の信憑性や年代っていう意味ではどうなんでしょうか?」
松井さん「掛川市の方(大日本報徳社が所蔵する絵図)はそこら辺が分からないんですね」
伊地アナ「いつのものか?」
松井さん「今回のものは実を言うと、その絵図の裏側にいつ写したかっていうのが書かれている。絵図の来歴が分かったっていうことは非常に重要」
今回発見された絵図が描かれたのは、推定1656年ごろ。これまでで最も古い史料とみられています。

見学者(神奈川県から):「ちょっとロマンを感じますよね。見てみたいですね、ぜひ見てみたい」
見学者(岐阜県から)
Q:絵図が公開されたらまた見に行きたい?
A.「思います。博物館もありましたし、あそこに展示されて、ここに見に来てというルートが(笑)。でも古本屋で売っているんですね(笑)」
静岡市の難波市長は
歴史的発見に、静岡市の難波市長はー。
静岡市 難波喬司市長:「非常にうれしい話があったなと思っています。非常に貴重な史料が見つかったということで、駿府城の地元・静岡としては大変うれしく思っています」
満面の笑みで会見する難波市長。今後の展開についても、大きな期待を寄せています。
静岡市 難波喬司市長:「ぜひぜひこの歴史博物館で市民の皆様にご覧いただくのがいいんじゃないのかなと思います。できましたら、この史料をお譲りいただければと思っています」

所有者は
今後、静岡で公開されることはあるんでしょうか…。
新しい史料の所有者 藤原義久さん:「今まで、このままずっと仕舞ってお蔵入りするのかと思っていたものが、こんなに価値があるものだと聞いてびっくりしている。みんなが見てもらえるようなところに展示できたりとか、静岡の皆さんとか、全国の皆さんにもこの史料自体がなくならないで、次の世代に伝えられるようなところに保管できればと思っている」
