若い感染者が増加…変異株は若くても重症化、症状も急速に進む恐れも 静岡県14日にも「ステージ3」に引き上げへ
12日夜開かれた、静岡県の新型コロナ対策専門家会議。専門家から県内の感染状況が国のステージ3に相当するとの見解が示されました。ステージ3となれば、2月18日以来です。
若くても変異株は重症化、急速に症状進むケースも
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(12日):「(県内で)変異株患者を治療している医療機関の話で、50代でも重症化する。重症化する年齢が今までのウイルスに比べて若くなっているという意見があったし、保健所で入院かホテルか自宅か決めるのを待っている段階でも、急速に症状が進む方がいたといった意見があり、どの地域が大丈夫とかはなくて、県全体で少ないところはほとんどないと考えている」
現時点で感染状況を表す指標7つのうち、「病床使用率」「人口10万人あたりの療養者数」「入院率」の3つがステージ3の基準を超えています。医療体制のひっ迫も進み、特に県西部ではきのう時点の病床使用率が52.4%とステージ4の基準である50%を上回っています。
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(12日):「このままのスピードで新規感染者数が増えると、1週間くらいで(10万人当たり感染者が)15人超える見込みになっている。15人を超えるというのもステージ3の基準。最も重要な基準と国も考えているが、それも早晩超えることが想定される」
きょうまでの直近1週間で、県内の人口10万人あたりの感染者数は13.7人。ステージ3の基準である15人に急速に近づいています。ステージ3となれば、まん延防止等重点措置の要請も視野に入りますが…。
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(12日)
Q.ステージ3だとまん防(まん延防止等重点措置)なども。すぐに時短とかは?
A.「そういった話は具体的にはなかった。自宅、職場の休憩室などでも拡大しているので、商業的な飲食店だけが感染の場ではない。特定の業種業態が原因とは言いにくく、友人仲間が集まっての会食、屋外での会食でも感染している」
GW前に変異株に置き換わり…
感染拡大の主な要因は県内ですでに8割が置き換わった変異株。それに加えて…。
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(12日):
「感染者の年齢分布をみると若い方が多い。今週直近は10代も多いですけど10歳20歳30歳40歳くらいまでで半分近くを占めるという状況」
Q.ゴールデンウイークの封じ込めが機能しなかった?
A.「そうですね。その前に(変異株に)置き換わっていて、かつ人の流れは去年の何倍以上になって抑えられなかった。その掛け合わせ」
ワクチン接種も進まず… 「静岡県は医師数が少ない」
感染を抑え込む切り札とされるワクチンについて12日夜、菅総理は全国の85%を占める、1490の市町村で7月末までに高齢者の接種を終える、と説明しました。
しかし、県内で7月末までに接種を終えるのは22の市や町のみ。残る13の自治体は8月までかかると回答していました。県内の7月末に終える自治体の割合は62.9%で、都道府県別でみると、秋田県に次いで全国ワースト2位だったのです。
県の担当者は「もともと静岡県は医師の数が少ないので、その確保が難しい。静岡市、浜松市などは医療体制が充実しているが高齢者が多い。地方では医療体制が弱い。県として地域ごとの課題を解決できるか検討したい」と話しています。
(5月13日放送)