車いすバスケの日本最強チームへ入団 パラリンピックで金メダルを目指す中学生 静岡・藤枝市
手や足に障害がありながらも車いすバスケットボールでパラリンピック金メダルを目指す中学生が藤枝市にいます。夢の実現のために彼が選んだのは日本最強チームへの入団です。
藤枝市の中学1年生・冨澤湊人(とみさわ みなと)さん。
車いすバスケで天皇杯3連覇の強豪クラブ「神奈川VANGUARDS(ヴァンガーズ)」に所属しています。
自ら志願し、今年5月チームに加入しました。
冨澤湊人さん
「最強選手の中でできるからこそ、見つけられるものとか、学べるものとかがあると思ったりとか、自分の成長につながると思ったのが一番です」
冨澤湊人さん
「夢は(2030年の)ブリズベンパラリンピックで日本代表になって金メダルをとることです」
湊人さんは週に2回、片道2時間半かけて、藤枝から神奈川県の練習場に通っています。
車いすバスケは、バスケットとほぼ同じルールで、障害の程度に応じ、持ち点制でチームを編成します。
最も障害の重い選手が1点で、湊人さんは2点。
「神奈川 VANGUARDS(ヴァンガーズ)」には、東京パラリンピックの銀メダリスト鳥海連志(ちょうかい・れんし)選手ら日本代表経験のある選手が数多く在籍しています。
湊人さんは、去年6月に初めてVANGUARDSの練習に参加し、今年5月選手として正式に入団。
中学生が国内トップレベルのチームに加入することは異例で、チームとしても初めてのことです。
前田柊(まえだ・しゅう)キャプテン
「あれだけの思いを持った子を放っておくのは、僕らとしてももったいないし、日本でもしくは海外で活躍するような選手になってほしいという思いがあったので」
中学校では
湊人さんが車いすバスケに出会ったのは、5歳のころ。
生まれつき手と足に障害があり、4歳から車椅子生活をする中、パラスポーツの体験会に参加したことがきっかけでした。
中学校では普通学級でほかの生徒と一緒に学校生活を楽しんでいます。
毎日昼休みになると階段を腕の力で駆け下りて、校庭でボール遊びをしています。
「ギャーー!」でボールパンチ
Q湊人さんはどんな人ですか?
友達
「湊人くんは車いすだけど何事にも挑戦していて、運動も今(の外遊び)みたいにやっていて、優しいし明るいと思います。」
Q みんなは湊人さんの夢をどう思いますか?
「かっこいい。すごい。できると思う、湊人なら」
仲間に恵まれ、充実した学校生活を送っています。
憧れの鳥海連志選手
ここで湊人さんが・・・
冨澤湊人さん
「自分が使っている英語の教科書なんですけど、同じチームの鳥海選手がのっています。かっこいいっすね。憧れの選手でもあるので…」
そこには、車いすバスケ界のエースで、チームメイトの “鳥海連志選手”が。
雲の上の憧れの存在だった鳥海選手と同じコートで汗を流す日々…。
その憧れの先輩は、湊人さんについて・・・
鳥海連志選手
「彼はその(自主的に何かをやっていく)マインドがあるプ
レーヤーなので、このままちゃんと成長を遂げるのであれば、全然、僕抜かれるなっていうのは思っていますね。僕になりたければ、僕以上に練習するしかない。」
中学生ながら、すでに代表選手に混じって公式戦にも出場し始めている湊人さん。
相手の動きを食い止め、シューターの道を切り開くプレーで、チームの勝利に貢献しています。
ただ、まだ体のできあがっていない中学生…
「みなとー!」
一流選手としのぎを削る練習は簡単なことではありません。
それでも…。
冨澤湊人さん
「最強選手の中でやるって決めたのは、そこは自分だから。真剣にひとつひとつの練習を大切にして代表になれるよう頑張っていきたい」
静岡から世界へ。
夢を追って車いすを走らせるその先には、無限の可能性が広がっています。
