静岡・牧之原市などの竜巻被害から2ヶ月 「枝折れ」「根返り」「幹折れ」被災地に残された樹木の被害から竜巻の強さが浮き彫りに
静岡県の牧之原市や吉田町などの竜巻被害から2ヶ月が経ちました。被災地に残された樹木の被害から、竜巻の強さが改めて浮き彫りになりました。
【森林総合研究所 鈴木覚 被害研究拠点長】:
「かなり被害としてはひどい。非常に深刻な被害だなと思います」
森林総合研究所の鈴木覚さん。強風などによる森林災害の専門家です。
牧之原市細江地区の谷筋に広がる樹木被害を捉えた、ドローン映像を分析してもらいました。
【森林総合研究所 鈴木覚 被害研究拠点長】:
「風の吹き方が非常に複雑だったんだなと。右側の斜面っていうのは、街から見ると、手前から奥に向かって木が倒れてるんですけども、逆側の斜面は、奥側から手前に向かって倒れてるんですね。真逆の向きの風が隣接してるみたいな非常に驚く映像でした」
気象庁は被災直後の現地調査で、今回の被害を最大クラスの竜巻によるもので、日本版改良藤田スケールで3にあたると発表しました。
このスケールで風の強さを推定する指標には樹木の被害も含まれています。「枝折れ」や「根返り」「幹折れ」が風の強さの判断に使われます。
【森林総合研究所 鈴木覚 被害研究拠点長】:
「今真ん中に写ってるやつ。これは幹折れだと思うんですね」
この「幹折れ」はねじれきれているようにも見えます。「幹折れ」は樹木では最も強い風の影響で起こる被害です。
【森林総合研究所 鈴木覚 被害研究拠点長】:
「評定通りにいけば60m。秒は確実にいってるということは言えて、樹木から評定されうる風速よりももっと強い風速があってもおかしくはない」
この場所に人は住んでいませんが、住宅地に隣接しています。
【森林総合研究所 鈴木覚 被害研究拠点長】:
「枝とかあるいは幹、そういったものが折れて、それが運ばれると、飛んでいった先で人身被害とか建物に対する被害を起こす可能性は十分にある」
ただ、気象庁の現地調査では、この場所は調べられていません。
【森林総合研究所 鈴木覚 被害研究拠点長】:
「市街地だけを見てると、限定された範囲だけを見ることになりますので、森林がどういった範囲で被害を受けてるのか、市街地の被害と合わせて、一つの現象として捉えていくべきだと思っています」
気象庁は今回の静岡での竜巻被害について、広範囲で被害が多数に及ぶため、より詳細な報告書を年度内を目途に出す検討を進めています。
