「アリーナは官民連携での整備が基本」静岡市田辺信宏市長
「多額の税金をつぎ込んで、巨大なハコモノをつくる時代ではないという認識を私は持っています。そういった施設を造るにしても民間の力・資金・ノウハウを連動させるということ」
静岡市はJR東静岡駅北口の市が所有する土地にプロスポーツの試合やコンサートなどが開催できるアリーナの誘致を目指しています。
これについてきのう、アリーナの機能や役割を検討する委員会が開かれました。
市が想定しているのはスポーツ観戦で5000席以上、音楽イベントで8000席から1万席を確保できる施設です。
建設費はおよそ100億円から200億円で、運営費は年間で2億円から3億円程度との想定を明らかにしました。
岩田孝仁委員 きのう:
「音楽興行の日数が年間の半分ぐらいとしているが、実際に半分は全国的に見て可能なのか?」
桂田隆行委員 きのう:
「過去の体育館ベースの話で、もう少し支出額が増えるのではないかと危惧している」
市が想定しているのが官民連携による誘致で、検討委員会の中で3つの案を示しました。
それが、民間事業者による「民設民営」型。
民間事業者が整備した後、市に施設を寄付。
その民間事業者が指定管理者などとなって運営する「負担付寄付」型。
市と民間事業者の契約に基づく「PFI(ピーエフアイ)」型、です。
これについて委員からは-。
岸 昭雄委員 きのう:
「公設公営の選択肢もある。どこまで行政が負担をしてこの事業に関与するのかという議論で確認したいのは、市がどこまで負担を考えているのか。かなりクリアにイメージしておかないと」
このアリーナについて、今季限りで退任する田辺市長は過去、若者流出の歯止めになるとしていました。
静岡市 田辺信宏市長:
「若者の流出をなんとか・・・流れを変えていきたいと思っている。そういった時に若い方たちからよく出てきたのが、私たちが見たいコンサートが静岡には来ない。そういう文化機能、エンターテインメント機能が静岡は弱いからどうしても東京の大学に行くんだ、あるいは県外に行ってしまうというそういう声も多かった」
スポーツ庁の室伏広治長官が
先月には、スポーツ庁の室伏広治長官が静岡市役所を訪れ、田辺市長と意見を交わしました。
スポーツ庁 室伏広治長官 静岡市役所 1月20日:
「ちょうどそういうアリーナ改革の波に乗って、ぜひともこういった全国にいい例となるような取り組みをしていっていただきたい」
静岡市 田辺信宏市長 静岡市役所 1月20日
「長官からエールをいただいたので、いい例、静岡市は日本のスポーツ都市のモデル地区になっていきたいと心新にいたしました」
実現に向けて進んでいるようにも見える一方で、市が建設を目指す東静岡エリアには、県が整備した「このはなアリーナ」があります。
新アリーナの規模は、「このはなアリーナ」より大きくなる想定ですが、同じ地区に似たような施設がもう一つできることになります。
Q.本当に運営として成り立つのか、需要があるのかという声もある。市長としてアリーナ運営を軌道に乗せるために、どのような方策がいいのか?
静岡市 田辺信宏市長 静岡市役所 午前11時ごろ:
「民設民営は難しいのではないかと言うことですのでね。やはり公的にある程度の下支えをしていく必要があると私は現在考えております。一番大事なことは、公益性と事業性を両立したビジネスモデルをどう行政側と民間側が共通の目標として連携できているか、これにかかってくるかと、そんなふうに思います」