造成した盛り土の撤去命令に従わなかった疑い 市土砂条例違反容疑で残土処分会社社長の男逮捕 静岡・御殿場市
造成した盛り土の撤去を求めた静岡県御殿場市の命令に従わなかったとして、市内の残土処分会社社長の男が逮捕されました。
御殿場市土砂条例違反の疑いで逮捕されたのは、市内の残土処分会社「小野商事」の社長(45)です。
警察によりますと、容疑者は御殿場市長から市内の神場地区の土地に造成された盛り土を去年3月末までに撤去するよう命じられたにも関わらず従わなかった疑いが持たれています。
JR御殿場駅から車で10分ほど南西に向かったところにある神場地区。
御殿場市がこの違法な盛り土を認識したのは、2019年3月。
その後、容疑者に土砂の搬入をやめ、撤去するよう命令を出しました。
しかし、期限までに、撤去に応じなかったことから、去年11月、市は条例違反の疑いで、容疑者を刑事告発していました。
白鳥衛記者:
「御殿場市神場の現場です。盛り土の広さを調べるために、現場検証が行われています。」
静岡県警は1月、市職員らとともに、現場の測量を実施。
違法に造成された盛り土は、面積がおよそ2万平方メートルで、土砂の量は10万7000立方メートルに及ぶと推定されています。
土砂のほとんどは、神奈川県などの関東圏から運ばれた建設残土とみられ、容疑者は8トンダンプ1台につき8千円で受け入れ、少なくとも1億円以上を得ていたとみられています。
この盛り土、去年の台風15号の影響で、一部が崩落。
近くを流れる川に流出するなど被害が出ていて、市は行政代執行での土砂の撤去も検討しています。
「盛り土した土地の是正をしなかったことに、間違いありません」
容疑者は警察の調べに対しこのように話し、容疑を認めているということです。
午後、取材に応じた御殿場市の勝又市長は。
「これからも、市民の命を守るということと、違法盛り土をなくすという両面から毅然とした対応を取っていきたい」とコメントしています。