最低価格3億1400万円…売りに出ている「知事公舎」に潜入 敷地面積1430㎡、建物は330㎡の木造平屋 静岡市
危機的な財政状況にある静岡県。コストカットの手始めとして、鈴木知事が目をつけたのが「知事公舎」でした。
静岡市内有数の住宅街、葵区安東にある「知事公舎」。1988年に建設され、当時の総工費は1億2500万円。これまで歴代3人の知事が利用し、川勝前知事の時代は、貴重な取材現場の一つでした。敷地面積は432坪(1430平方メートル)、建物は木造の平屋で、およそ100坪の広さです。(330㎡)
閑静な住宅街にある“超優良物件”を、県は一般競争入札で売りに出すことに。最低入札ラインとなる、予定価格はおよそ3億1400万円です。
潜入「知事公舎」
橋本ありすアナウンサー×県財務部行政経営課 瀬戸尾実祐さん(入庁1年目)
橋本アナ:「知事公舎買いませんか? 予定価格は3億1400万円ということです。皆さんぜひご検討ください。家の内覧はこれまでもしたことあったんですけれども、まさか知事公舎の中を見られる日が来るとは、ちょっとドキドキしています。もう門からして格式高い感じがありますよね。早速内覧行ってまいります。すいません。お願いします。開きました、入っていきましょう。失礼します。今日はよろしくお願いします。必ずなります。ちょっとドキドキしながら来ました。この目の前にあるのが知事のお宅ということです。緊張しますね」
瀬戸尾さん:どうぞ、こちらが玄関になります。
橋本アナ:待ってください。玄関がめちゃくちゃ広いですね。
瀬戸尾さん:広いですね。
橋本アナ:中に入ります。
瀬戸尾さん:こちらが洋室の応接間になります。
橋本アナ:応接間。ちなみにこれちょっと今座ってみたりっていうのは?
瀬戸尾さん:どうぞ。
橋本アナ:いいですか?はい。せっかくですからね。失礼します。ほわっと体を包み込んでくれる。これはまた雰囲気の違うお部屋ですね。
瀬戸尾さん:和室の客間になります。
橋本アナ:こちらも客間で和室と、こちらも至ってシンプル。例えばこの襖もね…
瀬戸尾さん:建てられた時からずっと同じものが使われている。
橋本アナ:変わってないんですか?
瀬戸尾さん:変わってない
橋本アナ:1988年に建てられた時のまま、37歳、
瀬戸尾さん:37歳の…。実はこちらにお茶を点てる…
橋本アナ:え、本当だ。少し畳がここだけ四角くなっていて。おーー。川勝さん(平太前知事)なら点てそうですね。
県産の木材を多く使用
庭を横目に、さらに進むと…。
瀬戸尾さん:ここからが私用のスペースになっていて。
橋本アナ:なるほど。じゃあもう生活のスペースっていうことですね。わー、ここからもお庭が綺麗に見えます。いいなあ。木が多く使われてるなっていう印象があるんですけど、どうですか?
瀬戸尾さん:そうですね。県産の木材が多く使われています。ヒノキだったりとか、スギだったりとか。
橋本アナ:やっぱりそうなんだ。見て、この廊下に置いてありますよ。椅子とテーブルが。だからここは縁側というか、お家からポコッと出てはいないけれども、縁側です。で、今日みたいにすごく陽が入ってポカポカして、こういう日にこちらの椅子に座ってお庭を眺める。だから、この家はどこの部屋からでもお庭が綺麗に見えるんですね。
瀬戸尾さん:そうですね。どこからも綺麗に。
歴代知事の生活とは…。イメージが膨らみます。
橋本アナ:ここに布団があって、ここから布団を出しまして、バサッとやって、ここでちょっとして、ちょっと一旦寝てみますね。いいですか?
瀬戸尾さん:はい、どうぞ。
橋本アナ:こんな機会ありませんから。じゃ、おやすみなさい。眠れそうですね。
瀬戸尾さん:まだ、ありますよ。こちらは浴室とお手洗い。
橋本アナ:ちょっと浴室はドキドキしません。ちょっと失礼します。ゆったり入れる湯船。ほらゆったり入れますし。基本はタイルなんですけど、天井はここも木ですね。
瀬戸尾さん:ヒノキ。
橋本アナ:これもヒノキなんだ。
お手伝いさん用のスペースも
さらに、廊下を進んだ先には…。
瀬戸尾さん:ダイニングです。
橋本アナ:ダイニングです。ここは洋間なんですね。
瀬戸尾さん:そうですね。洋間になってます。
橋本アナ:広いキッチン、広い。えー、何人で調理ができるでしょうか? 迷路みたいな広くみたい。広いですね。
瀬戸尾さん:ここもお手伝いさんがいたことはないんですけど、お手伝いさん用のスペース。
橋本アナ:あーここで1周終わりました。玄関に戻ってきました。広いですね。
瀬戸尾さん:とっても。
最低価格3億1400万円に地元不動産会社は
今回、最低価格3億1400万円で売りに出された知事公舎。気になるのが、果たしてこの価格は適正なのかどうか…。知事公舎からほど近い、地元の不動産会社に聞きました。
安東不動産 高山浩明さん:「駿府城公園、近くに城北公園、市立の中央図書館、バスの便とかも非常に良い場所になっていて、エリアとしては市内でもかなり人気のある場所」
子育て環境も良く、若い人にも人気のエリアだといいます。“プロ”から見て、3億1400万円の価格設定は?
安東不動産 高山浩明さん:「この辺の相場からすると、比較的お求めやすい、少し低めな金額ではないかと思う。いま金額が3億1400万だと思うが、(3億1400万円の)1.2倍とか1.3倍は普通についてくる金額ではないか」
落札価格は4億円以上か
“優良物件”だけに、少なくとも4億円は超えると見ています。さらに、知事公舎という“プレミア価値”もあるそうで…。
安東不動産 高山浩明さん:「例えば、ステータスとして、シンボルとして使いたいという企業もあるかもしれないので、そういう意味では非常に幅広い方が入札すると思う。そうすると、価格も上がってくるのではないか」
橋本アナ:「ぶっちゃけ安東不動産さんは参戦されますか?」
高山さん:「えー(笑)、どうでしょう。金額が金額だけに何とも言えないが、社内で検討して入札に関わるかもしれない」
近所の人は「寂しい」「仕方がない」
県は予約が必要な現地説明会を25日から実施。入札の受け付けは来月4日までで、16日に入札を実施し、落札者が決まります。
近所の洋菓子店:「この辺だと、(売却価格は)それぐらいじゃないですかね」
近隣住民70代:「なんか形が変わっていくのは寂しい思いもある。知事公舎の前を通って散歩していたので」
近隣住民70代:「ただ放って置くだけなら売却も仕方ない」
知事公舎は一体、誰の手に渡るのでしょうか?
