リニア中央新幹線 国の有識者会議で土砂の置き場など議論…JR東海と県の見解は?
リニア中央新幹線工事の国の有識者会議が開かれ発生する土砂の置き場の課題などについて意見が交わされました。終了後、県はこの問題について国に先駆け県の専門部会で協議する考えを示しました。
国土交通省の有識者会議は現在、リニア工事に伴う南アルプスの生態系への影響など環境面の論点を整理するため関係者からのヒアリングを進めています。
31日は前回の県に続き静岡市へのヒアリングが行われました。出席した田嶋太環境局長は南アルプスのユネスコエコパーク登録で生物の実態調査や水資源の解析などを独自に行っている事を報告しました。そして工事で懸念するのは「大井川上流域の生態系への影響」と「発生土処理による影響」と指摘しました。
これを受けた委員らの意見交換では、JRが周辺の沢ごとに作成するとしている「沢カルテ」についてそれぞれの性質や特徴など静岡市の調査結果も反映してより詳細なものとすべきという意見が複数上がりました。
また合わせておよそ370万立法メートルと見込まれる発生土の置き場については、構造上の安全性や有害な物質が出た際の影響などが課題と指摘され全国の類似ケースでどのような対策が取られているか国やJRに調査を求めました。
JR宇野護副社長「熱海の盛り土の関係っていうか土石流の関係もありますし大変御心配頂いている話でもありますのでそれに応えていけるような形で計画を深度化していければいいなと」
また県の難波理事は発生土の問題は県の専門部会で先行的に議論する考えを示しました。
県 難波喬司理事「問題が煮詰まっていないという状況にありますので まずは論点だけをしっかり整理するところは県でやって、こんなことが論点になっていますって事を国の有識者会議にご紹介するっていうのがこれは県の役割ではないかなと私自身は思ってます」